連合、来春闘賃上げ「5%以上」 物価高に対応、表現強める

春闘要求と平均賃上げ率の推移

 連合は19日、2024年春闘の基本構想を発表した。基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)を3%以上とし、定期昇給分と合わせて「5%以上」の賃上げを求める方針を明記。長引く物価高を踏まえ、23年春闘の「5%程度」より強い表現として実質的な賃金アップを目指し、格差是正にも取り組む。芳野友子会長は記者会見で、傘下労組には「最低のラインとして目指してもらいたい」と強調した。

 芳野会長は、原材料価格の高騰など厳しい経営環境下で、高い要求を続けることに関し、余力が乏しい中小企業もあるだろうと予測。一方、業績が良い企業の労組には「連合以上の要求を掲げてほしい」と呼びかけた。

 基本構想では、国際的に見劣りする賃金水準を引き上げ、自由に使える手取りの収入を増やして個人消費を支える必要があると指摘。企業規模や雇用形態、性別による賃金格差を是正し、貧困層の解消を目指すとしている。雇用形態を問わず適用される企業内最低賃金は、23年春闘よりも50円多い「時給1200円以上」を求めるとした。

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