東京・福生市発!酒飲みたちを魅了し続けるテーマパーク〜創業160年の老舗酒造

東京に「酒飲みたちのためのテーマパーク」があるのをご存知ですか?

東京都福生市熊川に構える『石川酒造』は、銘酒「多満自慢」をはじめとした美酒により世の酒好きたちを魅了してきました。

この老舗酒造が打ち出しているコンセプトは、ずばり“酒飲みのテーマパーク” ──

敷地内には、国の登録有形文化財にも指定されている蔵を複数構え、その酒蔵で造られた“できたて”をすぐにお料理と共に楽しめるレストランも展開。また、蔵の1つを改装して作られた「雑蔵史料館」は、江戸の頃より紡がれてきた酒造りの歴史をいまに伝えます。

今回はこちらの『石川酒造』の魅力の一端をご紹介します。

いざ、酒飲みのテーマパーク『石川酒造』へ!

『石川酒造』へは、JR新宿駅から公共交通機関を利用して1時間ほど。JR中央線・青梅線を利用し、最寄駅である『拝島駅』からバスを利用されるのがオススメです。

さあ、こちらが酒飲みのテーマパークへの入口!

老舗酒造『石川酒造』ですが、その歴史の始まりは1863年(文久3年)にまで遡ります。農業を営む傍ら、現在の『あきる野市』で酒造りを始められたのだそう。そして、1880年に現在の熊川に拠点を移し、いまなお酒造り等に使われ続ける酒蔵が建てられました。

その酒蔵の1つ『本蔵』。

入口から入ってすぐお目にかかれるこちらの蔵で日本酒の醸造が行われています。まさに『石川酒造』の要とも言える場所。

『本蔵』内は常時10〜17℃ほどに保たれているのだそうで、一歩足を踏み入れるとひんやり。そして、お酒の良い香りが鼻腔をやさしく包んでくれました。

ちなみに、敷地内に在る5つの蔵と建造物(『本蔵』、『新蔵』、『向蔵』、『雑蔵』、『文庫蔵』、『長屋門』)が国の登録有形文化財に指定されており、歴史的価値が非常に高い点も大きな魅力です。

こちらは国の登録有形文化財の1つである『長屋門』。門の奥には、代表取締役社長である18代目 石川 彌八郎(やはちろう)さんがお住まいになられている家屋が見えます。

風情を感じるのはもちろん、品格や静謐さが滲む佇まいに自ずと心も穏やかに。

これだけではありません。とにかく見所満載!

圧倒的な存在感を放つ「御神木」。樹齢700年にもなるこの欅は、「石川家のケヤキ」として福生市指定天然記念物に指定されています。

また、「夫婦欅」と呼ばれる樹齢400年を超える2本の欅も。その根元には、「大黒天様(お米の神様)」と「弁財天様(お水の神様)」が祀られています。

そして、酒造りに非常に重要な、酒の味を大きく左右する水 ──「仕込み水」もお目に掛かれます。

この仕込水は、多摩川水系からもたらされる伏流水。敷地内に掘られた井戸から汲み上げられるこの地下天然水(中硬水)を使った酒造りが、代々行われてきました。

先進的だったビール醸造の軌跡

日本酒のみならず、『石川酒造』では明治時代にビール造りにも着手されています。こちらがその当時使われていた「麦酒釜」。地中に埋められていたおかげで、戦禍を避けられたのだそう。いまとなっては貴重な歴史の語り部です。

館の内部に、当時のビール造りの様子を伺い知ることができます。

ただ、瓶が割れてしまったりする等の問題から、ビール造りはごく僅かな期間しか行われなかったのだそう。

ですが、約100年の時を経てビール造りを再開するに至ります。“華やかな食卓を、陰で支える酒造り”── この『石川酒造』の醸造精神が、地ビール「多摩の恵」に注ぎ込まれることになるのです。それは1998年のこと。

酒蔵からの“できたて”を ──『福生のビール小屋』

地ビール「多摩の恵」が造られたのと同時期にオープンしたのが、『福生のビール小屋』と名付けられたこちらのイタリアンレストランです。入口横にはこんな可愛らいしい「スバル360」も(現役です)。

店内とテラス席をあわせて60〜70名ほどを収容できるというこちらのレストランは、瀟洒な雰囲気をまとっているのはもちろん、敷地内の風情ある景色を眺めながらお食事を楽しむことができます。

そして、なにより酒蔵から直送された“できたて”のビールや日本酒をいただけるという……まさに癒しの楽園!

なお、「お酒やビールをおいしく飲んでいただけるか」を軸に考えられたメニューたちは、各種前菜やお肉&お魚料理、パスタ、ピッツァなど、常時40種を超えるラインナップでお客様をもてなしています。

今回、「多摩の恵 ペールエール(左)」と「TOKYO BLUES セッションエール(右)」をいただきました。

「多摩の恵 ペールエール」は、柑橘系の華やかな香りがふわぁっと舞うように広がるのがとても印象的。ちなみに、2000年に開催された「ジャパン・ビア・グランプリ(全国地ビール醸造者協議会主催)」において金賞を受賞しています。

そして、2015年より醸造がスタートした「TOKYO BLUES」。そのシリーズの中の1つ「セッションエール」は一段深いコクを感じつつ、キリッとした実にキレのある苦味が特徴です。レストラン内でいただける「福生産ソーセージ盛り合わせ(3種)」との組み合わせも抜群!

ちなみに、このソーセージ。90年以上の歴史を持つ老舗『大多摩ハム』が、本場ドイツ仕込みの伝統的な製法で手がけられた逸品です。“できたての一杯”と共に、ソーセージ3種の個性を ── 食感や味わいの幅、ギュッと詰まったお肉の濃ゆい旨味をぜひ召し上がれ!

『福生のビール小屋』公式ホームページ

いつまでも浸かりたくなるテーマパークに、ぜひお越しください!

熊川の澄んだおいしい空気と酒蔵の香りを吸い込み、これまで紡がれてきた歴史を見て感じ、その上で最後にいただく“できたて”の味は、なにより「格別」の一言!

お酒が好きな方ほど、ぜひ“体感”していただきたい酒飲みのテーマパーク『石川酒造』。足を運んでいただける、そのきっかけとなれば幸いです。

『石川酒造』公式ホームページ

石川酒造

〒197-0003 東京都福生市熊川1

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*取材・文・撮影:ヤマネコ

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*この記事は2023年10月時点の情報を基に作成しています。

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ライター:多摩観光推進協議会

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