中国から学ぶ高齢者に優しいUI

2019年、中国政府は高齢化に積極的に対応するための中長期計画を発表した。同計画は短期的展望(~2022年)、中期的展望(~2035年)、長期的展望(~2050年)の3段階の展望を発表。短期的展望としては高齢化に積極的に対処するための制度づくりを、中期的展望としてはより科学的かつ効果的な制度づくりを進める予定だ。さらに長期的展望としては、強い現代社会主義国に相応しい成熟した高齢化社会への対処方針を策定していくと発表されている。計画に基づく1つの政策として、2021年4月、ウェブ・アプリの高齢者対応ガイドラインが発表された。高齢社会におけるインターネット・アプリケーションのアクセシビリティ改善に関する特別行動計画の発表によると、43社のアプリが高齢者のアクセシビリティ対応を完了している。高齢者対応を実施済みのアプリは、新聞、SNS、生活・娯楽、EC、金融、旅行、医療など多岐にわたります。ケンタッキーフライドチキン(KFC)アプリのシンプルモードは、高齢者モードではシンプルさと効率性を重視している。高齢者の特性を理解するため、実際の店舗や高齢者モニターによる検証を実施し、高齢者はおすすめメニューや前と同じメニューを注文する傾向にあるというインサイトをもとに、おすすめメニューを大きく表示している。

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