“災害を経験していない園児に継承を” 土砂災害のあった地域の幼稚園が「伝承館」を見学 広島・安佐南区緑井

9年前に発生した広島土砂災害の被害や教訓を伝えるため、9月にオープンした「豪雨災害伝承館」を19日、地元の幼稚園の園児が見学しました。

見学したのは、広島市立緑井幼稚園の4歳から6歳の園児、計29人です。幼稚園のある緑井地区は、9年前に起こった広島土砂災害で大きな被害を受けました。幼稚園は、当時を知らない園児たちにも防災意識や地域で起こったことを受け継いでもらおうと、伝承館の見学を企画しました。

園児たちは災害時の様子や命の大切さを学んだ後、日常で危険があったときにどんな行動をとるかを考えるゲームにも参加しました。

“ぼうさいダックゲーム” の様子
「(台風のときは)自分のおうちのまわりがどうなっているかしっかり聞くこと。だから…しー!」

伝承館を見学した後は、近くの砂防ダムや土砂災害で被害にあった建物も見学しました。

園児たち
「(心に残ったのは)山から泥が流れたところの見学。怖い気持ち」
「(土砂の)掃除するの大変だったかなと思った。お掃除するの手伝いたいと思った」

広島市立緑井幼稚園 玉井むつみ 園長
「(子どもたちは)自分たちが住んでいる大事なふるさと、支えてくれているみなさんの感謝の気持ち、ありがとうという気持ちや、もし自分たちがその立場になったら力を合わせたいという気持ちなども聞かれたので、私たちが望んだ以上のことを学んでくれたなというふうに思っています」

緑井幼稚園は、今後も伝承館の見学など防災について学ぶ機会をつくるとしています。

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