570万人もの難民を抱えるなか、アフガニスタンで大地震…支援する日本のNGOが現地からレポート

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。10月12日(月)放送の「New global」のコーナーでは、大地震が発生したアフガニスタンについて取り上げました。

◆アフガニスタンで大地震…家屋倒壊率100%の地域も

10月7日、M(マグニチュード)6.3の地震が発生。多くの家屋が倒壊し、2,400人以上の死者を出したアフガニスタン西部で11日、再びM6.3の地震を観測。AP通信によると約700棟もの家屋が倒壊した村もあるということです。

現地では今、どのような状況なのか。アフガニスタンで支援活動を行うNGO団体「ピースウィンズ」の加藤真希さんに話を聞いてみると、「(11日の地震は)最初の地震よりも大きい可能性もあり、その後も何度も揺れているみたいで、予断を許さない状況が今も続いている」と危機感を募らせます。

そして、地震に見舞われた都市・ヘラートの中心部は大きな被災はなかったものの、「土でできた家が多いような地域では今回、家屋倒壊率100%という情報が入っている。そうした地域が今、深刻な被害に遭っている」と現状を解説。

さらに、NGOとして現地で活動するなかで大きな問題があるそうで、「女性のNGOスタッフが働くことを禁止されてしまいました」と加藤さん。現在、アフガニスタンはイスラム主義組織「タリバン」が実権を握り、女性の権利を制限するなか、以前は女性の医師や女性しか診ることができない現場では女性の活動が許されていたものの「そこが封じられてしまったことで私たちも苦労している」と嘆きます。

こうした状況に対し、コラムニストの河崎環さんは「女性に手を差し伸べる側のNGOも同じルールが適用されてしまうと、女性のコミュニティの救済が全くされなくなってしまうし、後回しになってしまう」と危惧。「こうした災害が起きたときにコミュニティや社会のなかでは"弱者”と呼ばれる人たちが埋没していく。その人たちへの手が差し伸べられなくなっていくことがアフガニスタンでも起きている気がする」と案じます。

◆路頭に迷うアフガニスタン難民に大地震が追い討ち…

そもそもアフガニスタンには約570万人もの難民がおり、タリバン政権樹立以降、欧米の多くの支援団体が撤退をせざるを得ない状況で、WFP(国連世界食糧計画)によると食糧不足も深刻。そして、難民として周辺国に逃れようとするもそれすら困難といいます。加藤さん曰く、例えばパキスタン政府などは、アフガニスタン難民は国に帰還してもらう政策を決定。100万人以上の大量の難民が帰還を迫られているとか。

そうしたなか、人道支援チームはアフガニスタンに戻ってくる大量の難民の暮らしをいかに支えるか注力している最中に、今回の地震が発生。非常に苛烈な状況が続いており、加藤さんが所属するピースウィンズをはじめ、多くの支援団体が寄付を急募。加藤さんは「支援活動する信頼できる団体に寄付の形で自分の思いを託していただければ私たちNGOが活動しやすい環境になる」と話します。

キャスターの堀潤は、自分が直接アフガニスタンに行くことは難しいため、「関係を築いてきたNGOを後方支援するというのもひとつ関わり方だと思う」と支援のあり方を模索。

食文化研究家の長内あや愛さんも「まさに今、(支援が)必要だと思うので、本当に考えて寄付をするという選択を多くの人にしていただきたい」と切望。さらには、食糧危機についても胸を痛め「アフガニスタンの辺りはあまり農業ができない。なぜなら農業にかける労働力が不足していたり、干ばつの問題もある。それは先進国による気候変動による部分もあると思うので、そうしたことにも思いを馳せて寄付したい」と話していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

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