一関高専(荒木信夫校長)の起業家人材育成塾が成果を上げている。経営者や金融機関の職員を講師に、学生のアイデアの事業化を探る講座で、本年度5期目。これまで受講者3人が在学中に起業した。全国の高専でも先駆的な「学民金」連携の取り組みで、経営感覚を併せ持ったイノベーション(技術革新)人材を育てている。
「日常の『こうなればいい』がヒント。時代に対応して活躍してほしい」。10日、一関市萩荘の同校で開かれた初回の講座。講師で同市東山町の精密板金加工業・東里(とうり)工業の高橋政智社長は卒業生としてエールを送った。勤務先が倒産し、技術を生かして同僚と起業した高橋社長に16歳、17歳の学生は「大変だったことは」などと積極的に質問した。
起業塾は放課後に計10回開催。各講座は▽リーダーシップ▽戦略▽マーケティング-などのテーマで、学生はそれぞれ考えた研究やアイデアについて、資金調達や財務なども含め事業化をシミュレーションする。