WEC、2024年から全戦で『ハイパーポール』形式の予選フォーマットを導入へ

 現在ル・マン24時間レースで採用されている『ハイパーポール』形式の予選フォーマットが、2024年のWEC世界耐久選手権シーズン全体に導入されることが決定した。

 FIA国際自動車連盟が「強化された」と表現するこの予選フォーマットは、10月19日にジュネーブで行われた世界モータースポーツ評議会で承認されたもの。来季のWECは(ル・マンを除き)ハイパーカーとLMGT3という2クラス構成となるが、新予選フォーマットではそれぞれのクラスで2段階式のセッションが行われる。

 2023年現在のWECでは、LMGTEアマ、LMP2、ハイパーカーと各クラス15分1セッションの予選で、決勝スターティンググリッドを決している。

 来季は2クラスそれぞれに18台前後が参戦するものと予想されるが、新予選方式ではセッション1がクラスごとに15分間行われ、ここでのトップ10台が10分間の『ハイパーポール』と呼ばれるセッション2にそれぞれ進出し、ポールポジション含む上位グリッドを争うことになる。

 この2セッション制のハイパーポール・フォーマットは2020年のル・マン24時間レースで初めて導入され、現在までル・マンのみで継続採用されている。ル・マンでは、各クラスの上位6台が最終セッションに進出するという形式が採られている。

 今回のFIA世界モータースポーツ評議会では、LMGT3のテクニカル・レギュレーションも承認された。このなかでFIAは、「LMGT3はFIAの既存のGT3テクニカルプラットフォームをベースとし、ジェントルマンドライバーとプライベートチームに焦点を当てたものとなる」と記している。

 また、GTEに代わるこのクラスでは、「夜光性のゼッケンパネルやリーダーライトなど、いくつかのWEC特有の仕様が採用される」としている。

 2024シーズンのWECは、3月2日にカタールのルサイル・インターナショナル・サーキットで開幕する予定だ。

ル・マンでは『ハイパーポール』後、各クラスPP車両によるセレモニーが行われている

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