返礼品のマスカットが市外産 長崎・諫早市のふるさと納税 「地場産品」の基準満たさず 

 長崎県諫早市は19日、ふるさと納税返礼品のシャインマスカットが市外産だったと明らかにした。「返礼品は地場産品とする」とした国の基準を満たしていなかった。
 市によると、シャインマスカットは昨年度から返礼品に加えた。本年度産は昨年11月~今年4月に計5539件の申し込みがあり、返礼品提供事業者が寄付者に発送済み。うち40件については、ふるさと納税の一部仲介サイトで諫早市産と表記されていた。市は今月、外部からの問い合わせで把握し、委託事業者に確認。いずれも県内のほかの自治体産だったという。
 市の直接の契約相手である委託事業者と、発送などを担う返礼品提供事業者は同一経営者。市の聞き取りに業者側はサイトでの誤表記は「事務手続きミス」とし、市外産の発送については「県産であれば返礼品として問題ないと認識していた」と説明している。
 経営者は取材に「昨年夏の発送分も市外の県産品だった。ご迷惑をかけた」と話し、市が確認を進めている。市は寄付者に実害はないと判断し、返金などの対応は取らない考え。市ふるさと納税推進室は「業者には国の返礼品基準を徹底するよう指導する。今後、新規返礼品の依頼があれば内部で情報を共有し、市内での生産状況などを確認したい」としている。

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