甘いドーナツでアメリカン・ドリームを夢見る男たち ケリー・ライカート監督「ファースト・カウ」公開決定

ケリー・ライカート監督作「ファースト・カウ」が、2023年12月22日より劇場公開されることが決まった。

「ファースト・カウ」の舞台は、西部開拓時代のオレゴン州。アメリカン・ドリームを求めて未開の地にやってきた料理人のクッキーと、中国人移民のキング・ルー。成功を夢見る2人は自然と意気投合し、やがてある大胆な計画を思いつく。それは、この地に初めてやってきた“富の象徴”である牛からミルクを盗み、ドーナツで一攫千金を狙うというビジネスだった。

原作は、これまでケリー・ライカート作品の脚本を多数手がけてきたジョナサン・レイモンドの小説「The Half-Life」(2004年発表)。男同士の友情を描いた物語に監督がほれ込んで映画化を熱望したという。ドーナツ作りを通して2人の男の間に少しずつ友情が芽生えていく過程を美しく描き、「友情とは何か」の本質を教えてくれる作品になっているという。

ケリー・ライカート監督は、1964年にフロリダ州マイアミで生まれ、「リバー・オブ・グラス」でデビュー。日本で彼女の作品を見られる機会は限られていたが、2021年にケリー・ライカート監督特集上映が行われると満席回が続出した。本作は、第70回ベルリン国際映画祭で金熊賞にノミネートされ、「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督が「私には決して真似のできないものであって、とてつもなく、うらやましい」とコメント。ほかにジム・ジャームッシュ、トッド・ヘインズ、濱口竜介らも本作を称賛している。

【作品情報】
ファースト・カウ
2023年12月22日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国公開
配給:東京テアトル、ロングライド
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