「旅するチョウ」アサギマダラ ふわりと舞う 野母崎・樺島町

ヒヨドリバナの蜜を吸うアサギマダラ=長崎市野母崎樺島町

 長距離を渡り「旅するチョウ」として知られるアサギマダラが、長崎市野母崎樺島町でふわりと舞っている。白いヒヨドリバナで羽休めする姿が市民らを楽しませている。
 アサギマダラは羽があさぎ色(薄い藍色)で体長約10センチ。春に北上し、秋に南下する。27年前から移動ルートの調査をしている長崎バイオパークの伊藤雅男園長(62)によると、本州で繁殖したチョウが長崎に飛来、奄美諸島や沖縄、台湾まで飛行する。同町は地元の人の好意でヒヨドリバナやツワブキの群落が守られており、チョウに人気のスポットになっているという。
 今年は約150匹を確認しているという伊藤園長。「蜜を吸って体力をつけたら北風に乗って南に向かう。そして来春には次の子孫が長崎に飛んでくる。いい環境を求めて2千キロを超える旅をするでしょう」と話した。

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