新1万円札の肖像画に採用される渋沢栄一や新千円札の北里柴三郎らとゆかりのある青森県十和田市は、2024年の新紙幣発行に合わせて記念イベントを行う。お札のまちの機運盛り上げへ19日、イベント案を企画・提案する市民検討委員会を発足させた。
委員会は同市の北里大学獣医学部や観光文化、商工、農業団体関係者や公募の市民ら9人で構成。市役所で開いた会合では、市側が新5千円札に採用される教育家・津田梅子を含む3人と同市との関係について説明。イベントは3人のうちの誰を対象とするか、市民向けか観光客向けかなどの枠を設けず自由な発想で検討することを申し合わせた。
同市ゆかりの人物が紙幣の顔になるのは、1984年発行の5千円札に採用された教育家・学者で国際的に活躍した新渡戸稲造以来となる。
日本の資本主義の父とされる実業家・渋沢は1890年、三本木原(現十和田市)開拓を進める開墾会社の経営難を救い渋沢農場を開設。国営開墾の実現などに尽力した。北里大は近代日本医学の父と呼ばれる微生物学者・北里を学祖とする。
津田について市側は、津田が創設した女子英学塾(現津田塾大学)に新渡戸が理事として関わっていたなどと説明した。
委員会は今後、各委員の企画案を基に12月に委員会案を選定する。市側は同案を新年度事業に生かす。委員長を務める十和田おいらせ農協の斗澤康広専務は「こういう人たちがいたから十和田市の発展もあったということをクローズアップできれば」と話した。