旭川アユ 漁獲量回復へ産卵場造成 南部漁協と県水産研が手作業

アユが産卵しやすい環境を整える旭川南部漁協の組合員ら

 旭川南部漁協(岡山市北区建部町福渡)と岡山県水産研究所(瀬戸内市牛窓町鹿忍)は20日、岡山市中心部の旭川にアユの産卵場を造った。産卵数を増やし、減少する漁獲量の回復につなげる狙い。

 同漁協組合員や同研究所職員、岡山大の学生ら約40人が参加し、JR山陽線旭川橋りょうの南北2カ所で作業した。

 アユは10月下旬から11月にかけて小石の隙間に卵を産み付けるため、北側約千平方メートルでは重機で川底を平らにならして手作業で大きな石を取り除いたほか、カワウによる食害を防ぐためテグス糸を張った。南側の一部では堆積した土砂を移動し、水が流れるようにした。

 11月末まで週1回、目視や水中カメラの映像でアユの生息状況や産卵の有無などを確かめる。

 県内では1984年に510トンだったアユの漁獲量が、ここ10年は30トン以下に減少。こうした状況を受け、同漁協は2019年度から同研究所などと連携し、産卵場を毎年造成している。

 同漁協の花岡栄太郎代表理事組合長は「データや漁業者の経験を組み合わせ、造成場所などを検討している。旭川のアユが一匹でも増えるよう取り組みを続けたい」と話している。

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