和歌山県議会は全国45位 政務活動費の公開度ランキング、市民オンブズマン調査

和歌山県議会の議場(和歌山市)

 全国市民オンブズマン連絡会議は、議員の政務活動費(政活費)の情報を、住民がどれだけ入手しやすいか調べた「政務活動費公開度ランキング」を発表した。和歌山県の和歌山県議会は100点満点中18点で、47都道府県中45位だった。市民オンブズマンわかやまは記者会見を開き、改善を求めた。

 ランキングは連絡会議が毎年公表しており、7回目。5月1日現在の状況を都道府県と政令市、中核市の129議会に質問して調べた。

 政活費は議員報酬と別に交付され「調査研究その他の活動の必要経費の一部」に使用できる。月額30万円(議員個人に27万円、会派に1人当たり3万円)。

 質問項目では、政活費を支出したときの領収書、会計帳簿、活動報告書や視察報告書の提出をどこまで求めているかやインターネットに公開しているか、政活費制度のマニュアルを公開しているかなどを聞いた。

 県議会は、領収書について提出が求められているのは原本ではなく写しであること、会計帳簿は提出の義務付けがないこと、活動報告書や視察報告書は作成義務付けが県外と海外での活動だけであることなどで減点された。これらはマニュアルを含めてネットにも公開していない。

 最も点数が高かったのは兵庫県と奈良県の97点、次いで大阪府と京都府の92点で、近畿の4府県が5位以内に入った。和歌山県は昨年は44位だった。今年46位の香川県は本年度分から領収書をネット公開する予定という。

 畑中正好事務局長は「和歌山県議会の公開レベルはここ数年、全く変わっていない。情報公開に後ろ向きの歴史を繰り返さないよう、強く求める」と強調した。

 市民オンブズマンわかやまが以前から訴えている領収書のネット公開は、47都道府県のうち、2016年度は3府県だけだったが、23年度には23都府県と約半数に増えた。政令市や中核市を含めると64%が実施しているという。

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