【菊花賞/追い切り診断】サトノグランツに並ぶ高評価は想定“6人気”前後 「成長カーブ急上昇。充実しまくりの感

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■ドゥレッツァ

【中間調整】1勝クラスへの格上げ初戦だった今年1月のセントポーリア賞はハ行のため取り消しとなったが、立て直されて臨んだ中山芝2200mの山吹賞を正攻法から快勝、以降ホンコンJCT、日本海Sを条件戦で破竹の3連勝を遂げている。血統的に菊花賞は微妙との見立てもあり、次走の選択に迷ったようだが、ルメール確保のメドが立ったことから菊花賞の進出が決定。10月初頭に美浦に戻っている。

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10月5日に初時計。準オープン馬を相手にした先行併入のウッド併せ馬で、さっそくある程度速い時計を出したあたり6月、8月と夏に使われた疲れは完全に癒えて、牧場である程度まで調整が進んでいたことを感じさせる。1週前のウッド併せ馬では追走の形に切り替え反応を確かめられたが、機敏に手前を替えて突き抜け4馬身の先着。全体的に活気に満ちあふれており、体の張りも申し分なしだった。

【最終追い切り】レース当週はC.ルメール騎手が騎乗し、ウッドで併せ馬。2週前、1週前の相手よりもさらに稽古駆けする準オープン馬を目標おして、外からマクっていく意欲的な内容だった。序盤ではピタッと鞍上と折り合い、コーナー手前でジワッと差を詰めすんなり相手に取り付く。体を並べた直線では追われてバタついた相手を弄ぶようにアオり、最後にスッと抜け出て半馬身の先着と大人びた走りを見せた。

【見解】牧場でのケアと事前鍛錬がよほど順調だったのか、帰厩後の動きは目覚ましいものがある。大きな休みを取ったわけではないが、1カ月半の放牧期間で逞しさも一気に増しており、まさに成長カーブ急上昇。充実しまくりの感がある。最終追いでは抜群の折り合いと反応も見せており、肉体面だけでなく精神面での進境も著しい。順調なら春クラシックでも互角にやれていたはずの素質馬。ようやくたどり着いたGI舞台で、実績上位馬を相手にアッと言わせる走りを見せる可能性は十分。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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