「わなにかかった動物 一定の可動範囲がある」 対応への危険性を専門家が指摘 クマに襲われ男性が死亡受け【長野】

飯山市で14日、クマに襲われたとみられる男性が死亡した事故を受けて県が緊急の対策会議を開きました。出没情報が寄せられた周辺で点検を始めます。

■県須藤俊一・林務部長1
「クマによる死亡事故が発生したことを非常に深刻に受け止めております」

県がクマによる被害の対策会議を開きました。14日に飯山市で、わなにかかったクマの近くで80歳の男性が死亡しているのが見つかりました。わなを確認しようとしてクマに襲われたとみられています。会議ではクマの生態に詳しい県の研究員が説明しました。

■県環境保全研究所・黒江美紗子 研究員
「(今回の事故は)わな猟を実施する際の安全管理の徹底に課題があったと考えられます」

飯山市の死亡事故ではわなが茂みの中に設置されていて動物がかかっているかの確認には近寄る必要がありました。

■県環境保全研究所・黒江美紗子 研究員
「わなにかかった動物というのは、それがくくりわなであっても箱わなであっても、一定の可動範囲があるため、対応には常に危険が伴います」

わなは遠くからでも目視できる場所に設置する必要があるということです。この事故も含めて県内では今年度、クマが人に危害を加える被害が9件発生。廃棄する果樹や野菜を放置しないことやクマが潜めるやぶを刈っておくこともクマ対策には有効だとしました。こうした説明を受けて県は近く、クマ対策の緊急点検を始めます。クマの目撃情報があった場所の周辺を地域の猟友会員のほか研究者などでつくる「クマ対策員」などが巡回。放置された柿や栗の木、クマが潜めるやぶがあるかどうか、わなの設置が適切かを点検。問題があれば地域住民などに指導するとしています。

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