捜査指揮の刑事ら4人を証人に採用へ 滋賀・湖東病院国賠訴訟

大津地裁

 滋賀県東近江市の湖東記念病院での患者死亡を巡り、再審無罪が確定した元看護助手西山美香さん(43)=滋賀県彦根市=が、国と滋賀県に賠償を求めた訴訟の進行協議が20日、大津地裁(池田聡介裁判長)であり、捜査を指揮した刑事ら4人を証人として採用する方針が決まった。

 協議は非公開で、終了後に弁護団が明らかにした。9月の前回協議では、取り調べを行った刑事、遺体を解剖した医師、起訴判断をした検察官の3人について証人採用の意向が示されていたが、捜査指揮した刑事らについては留保していた。

 この日の協議で地裁は、この刑事を証人採用する意向を示したという。一方、西山さん側が他に証人申請していた西山さんの母令子さん(73)や再審請求中の西山さんの精神鑑定を行った医師、再審開始決定に特別抗告した当時の大阪高検検事長らは不採用になった。西山さん本人への尋問も行われる。

 来年1月にかけて進行協議が続き、証人尋問の日程など詳細が決まる。西山さんらは本年度内にも実施するよう求めているが、時期は不透明。

 西山さんは「調書を見直して、当時自分がどう思っていたのか思い出している。おかしかった点を説明できるようにしたい」と語った。

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