ブギウギ第3週振りかえり・桃色争議や!

大阪育ちで歌い踊ることを心から愛するヒロインが、やがて戦後を明るく照らすスター歌手となるまでを描く連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK朝ドラ)。10月21日は、「桃色争議や!」と題する第3週(10月16日〜20日放送)を振りかえる。

大和に声をかける趣里(福来スズ子)(C)NHK

■デビュー公演から6年後、スズ子は18歳に

「梅丸少女歌劇団(USK)」に研究生として入団したヒロイン・鈴子(趣里)が、芸名「福来スズ子」として公演デビューしてから6年が経った。昭和8年(1933年)、18歳になったスズ子は歌劇団の中心メンバーとして活躍するが、まだまだ脇役ばかりだ。

新人を指導するスズ子(趣里)(C)NHK

一方で、同期のリリー白川(清水くるみ)は娘役として活躍し、「花咲歌劇団」から移籍してきた後輩・秋山美月(伊原六花)にも抜かれてしまい、スズ子や同期の桜庭和希(片山友希)は焦りを隠せないでいた。

自分の才能や売りに悩む鈴子だったが、憧れの大トップ・大和礼子(蒼井優)から「焦っちゃだめよ。自分の個性みたいなものはね、いつか必ず見つかるから」と声をかけられ、奮起するのだった。

■ 新公演を前に、自分の才能について悩むスズ子たち

その矢先、次回の公演は大和が演出を担当することが決まる。新しい公演に向けて厳しい稽古が始まるが、スズ子と同じく芽が出ずに悩んでいる和希は、秋山と比較されたことに落ち込み、ついには稽古を休み始める。さらに、秋山から厳しく指導を受けた新人たち全員が辞めたいと言い出してしまう。

和希(左、片山友希)と話をするスズ子(中央、趣里)、リリー(清水くるみ)(C)NHK

しかし、秋山が新人たちに厳しい理由やストイックに努力する理由を知り、さらに、父・梅吉(柳葉敏郎)の「やめたらそこで終わりや。続けるんが一番難しいんや」という言葉を聞いたスズ子は、結果はどうであれもがいてみることを決意するのだった。

ほどなくして、大和は公演の目玉として考案した「ラインダンス」の指導を始める。大和は、団員たちが一糸乱れず踊ることで、歌劇団の一致団結を表したいと意気込んでいた。稽古がより一層ハードになるなか、稽古を休み続けていた和希が稽古場に現れるが、突如USKを退団すると言い出す。

稽古場にて、大和の話を聞くスズ子(趣里)たち一同(C)NHK

自身も同じように才能の有無に悩むスズ子は、それでもなんとか和希を思いとどまらせたいと思い悩む。父の言葉から好きなことを諦める勇気と難しさを痛感したスズ子は、才能や努力ではどうしようもできないことがあることを理解しながらも、「それでも歌って踊るんが、どうしようもなく好きやねん」と、ありのままの思いを和希に伝えるのだった。

スズ子の言葉は、和希の途切れそうになっていた舞台への情熱をつなぎとめ、一連の流れに心を打たれた大和も「私は誰もやめさせたくないの。楽しくやりたい」とUSKを心から大切に思っている本音を吐露する。この出来事を受け、USKの劇団員たちはより一層絆を強めていく。

■ 「桃色争議」が勃発、ストライキを決行

しかしその矢先、親会社である「梅丸」の大熊社長(升毅)が、世界恐慌による不況のあおりを受けて、賃金および人員削減を決断。楽団員や新人の劇団員に解雇が告げられるなか、一度は退団を思い直した和希も経済的な厳しさから退団せざるを得ない状況になってしまう。

廊下にて、社長室のなかの様子を聞く大和(右、蒼井優)とスズ子(左、福来スズ子)(C)NHK

待遇改善を訴えるために一致団結した団員と楽団員たちは、トップスターの大和と橘(翼和希)が代表となって、梅丸に嘆願書を提出する。新聞はこれを「桃色争議」と報じて世間を賑わす一方、会社は劇団員たちに「労働争議をやめれば一時金を出す」という根回しを試みる。会社の対応に憤りを感じた大和はストライキを呼びかけるが、客を第一に考える橘と意見が対立してしまう。

大和が二度と舞台に立てなくなるのではないかと心配する橘から反対を受けながらも、会社と最後の話し合いをおこなうことを決めた大和は、劇団員にはストライキに参加するかどうかは各々で判断してほしいと告げる。自分はどうすべきか答えを出せずにいたスズ子だったが、大和たちと一緒にストライキを決行することを決意して・・・。

本作は、戦後「ブギの女王」として一世を風靡した歌手・笠置シヅ子さんをモデルに、歌の才能を開花させて上京したヒロインが、昭和を代表するスター歌手として激動の時代を生き抜いていく物語。放送は、NHK総合で朝8時から、またBSプレミアム・BS4Kでは朝7時半からスタート。土曜日はその週の振りかえり。

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