福井の高校生が開発、吹奏楽部の楽器不足を解消するシェアアプリ 作成費用をクラファンで募集

楽器不足を解消するためのアプリ作成を目指す山下友輝さん=10月12日、福井県鯖江市の福井新聞丹南支社

 吹奏楽部の楽器不足を解消しようと、福井県越前市の武生東高校吹奏楽部に所属する山下友輝さん(2年)が、学校間で楽器をシェアするアプリの開発に取り組んでいる。作成にかかる費用を福井県のふるさと納税型クラウドファンディング(CF)で募っている。「楽器不足で希望とは違う楽器を担当する場合もある。好きな楽器を演奏できるようにしたい」と支援を呼びかけている。10月30日まで。

 山下さんは中学1年生から吹奏楽部に所属しているが、楽器がないために曲を変更したり、他の楽器で代用したりすることがあるという。ときには演奏したい曲を諦めることもあるなど、楽器不足が問題となっていた。

 山下さんは打開策としてアプリを使い学校間で楽器の貸し借りができないか考えた。県内外の高校30校の吹奏楽部にアンケートを実施し、アプリの必要性を確認した。回答で、大半の学校が楽器不足に困っている半面、楽器によっては余っているということも明らかになった。年によって部員数や演奏したい楽器が変わるためという。

 アプリは、各校で余っている楽器を登録し、必要としている学校が借りられるような仕組みにする。これとは別に、自校が持っている楽器の使用年数や修理履歴を入力しておく機能も備え、楽器管理の負担軽減を図る。

 山下さんは「このアプリが成功したら吹奏楽部員みんなに有意義に使われる。楽器を余すことなく使いたい」と話している。

 CFの目標額は80万円。寄付はアプリ作成や広報などに使う。5千円から10万円までのコースを設定。返礼品として、全日本吹奏楽コンクール県大会のチケットや部員による寄せ書きなどを準備している。寄付はCFサイト「レディーフォー」から。

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