これぞ等々力劇場! 川崎Fが終盤3発で福岡を逆転撃破、天皇杯準決勝と同じく4-2で勝利【明治安田J1第30節】

20日、明治安田生命J1リーグ第30節の川崎フロンターレvsアビスパ福岡が等々力陸上競技場で行われ、川崎Fが4-2で勝利した。

天皇杯決勝戦進出を決めている川崎F(9位)と、YBCルヴァンカップ決勝進出を決めている福岡(8位)の一戦。両者は今月8日に天皇杯準決勝で対戦し、4-2と勝利した川崎Fが決勝への切符を掴み取っている。

川崎Fにとっては公式戦2試合連続で福岡戦となったわけだが、福岡は川崎F戦後に行われたルヴァンカップ準決勝で名古屋グランパスを2戦合計2-0と下し、天皇杯決勝戦を逃した悔しさを引きずらず。福岡も良い形でこの試合に臨んだ。

両軍のスタメンに目を向けると、川崎Fは前回・福岡戦のスコアラー4選手が全員先発。レアンドロ・ダミアンとマルシーニョが2トップを形成し、橘田が中盤、山村がセンターバックに入る。対して福岡は前回対戦でゴールの金森がシャドーに入る一方、鶴野がベンチスタートとなった。

試合は15分過ぎから急速にテンポが上がり、川崎Fが敵陣で過ごす時間帯に。それでもなかなか家長が良い形でボールを受けられなかったが、この家長が初めて余裕を持って前を向いたとき、川崎Fに先制点がもたらされた。

20分、右サイドのタッチライン付近でフリーでパスを受けた家長。ボックス手前に駆け上がった橘田へ折り返すと、橘田のドライブ回転気味の右足ミドルが福岡GK村上を襲う。村上の弾いたこぼれ球を瀬川が右足で蹴り込んだ。

しかし喜びも束の間、すぐさま福岡が同点に。24分、ボックス右角付近でFKを得た福岡はキッカーの紺野が低い弾道のシュートを放つ。川崎FのGKチョン・ソンリョンが正面にこぼしたところをドウグラス・グローリが詰めた。

43分、川崎Fは山根の右からのクロスがファーへ流れると、瀬川が粘ってゴール前へ折り返す。ゴールに背を向けた状態でワントラップしたレアンドロ・ダミアンは、素早い反転から左足を一閃するも、GK村上に右足一本で阻まれた。

福岡は45分にヒヤリとするシーン。川崎Fの瀬川がクリアしようとしたところにプレッシャーをかけた前は、瀬川に右足のヒザ付近を踏まれ、相当な痛みだったのか、悶絶しすぐに立ち上がれず。幸いにもプレー続行に支障はなかった。

後半も引き続き川崎Fがポゼッションを支配。福岡は自陣で守る時間が多いが、焦らず耐え凌ぎ、エース山岸が後半最初のチャンスを確実に仕留めてみせた。

66分、久々に敵陣でボールを回す福岡は右サイドに開く前嶋へ展開し、アーリークロスがゴール前へ。走り込んだ山岸の強烈なヘディングシュートはGKチョン・ソンリョンに阻まれるも、山岸自ら詰めてゴールイン。これぞエースの大仕事。山岸は今季リーグ戦9ゴール目となった。

逆転された川崎Fは直後に3枚替え。代わって入った元フランス代表FWバフェティンビ・ゴミスは75分、右CKのこぼれ球を拾い、ワントラップから右足オーバーヘッド。ほんのわずかにクロスバーの上へ外れる。

82分には脇坂が強引なドリブル突破から右サイドを完全に抜け出し、ゴール前へラストパス。最後はボックス外から勢いよく走り込んだ途中出場のジョアン・シミッチがフリーで自慢の左足を一閃するもブロックされた。

それでも川崎Fは84分、途中出場の小林が起死回生のスーパーゴール。最終ラインの山村が右サイドから斜めに走る小林へ鋭いロングパスを入れると、小林は最終ライン背後に抜け出し、GK村上と一対一に。最後は右アウトサイドで巧みにゴールへ流し込んだ。

36歳小林が健在ぶりを発揮した川崎F。この勢いで逆転まで持っていきたいところだが、しばらくは福岡の攻勢に遭い、なかなか前進できない時間が続く。しかし、試合の最終盤、途中出場の2選手で逆転に成功した。

後半アディショナルタイム2分、後方からの浮き球をボックス内のゴミスが胸トラップで落とすと、走り込んだのは途中出場で古巣対戦となった遠野。ゴミスの落としを右足ダイレクトで豪快に蹴り込み、ゴール右隅を突き刺した。

川崎Fはさらに96分、前がかりとなった福岡を尻目にゴミスが右サイドを抜け出し、ゴール前へラストパス。ファーから走り込んだこちらも途中出場の宮代がスライディングで流し込み、前回対戦と同じく4-2というスコアになった。

結局、川崎Fが撃ち合いを制し、福岡を4-2で撃破。福岡にリベンジを許さず、福岡も悪い内容ではなかったが、小林に同点弾を許しアウェイ等々力全体を勢いに乗せてしまった。

川崎フロンターレ 4-2 アビスパ福岡
【川崎F】
瀬川祐輔(前20)
小林悠(後39)
遠野大弥(後45+2)
宮代大聖(後45+6)
【福岡】
ドウグラス・グローリ(前24)
山岸祐也(後21)

© 株式会社シーソーゲーム