さとちょう閉店、126年で幕 トライアル、24日から順次営業

24日からトライアルとして順次オープンすることを知らせる尾上店の張り紙=20日午前、平川市尾上栄松

 津軽地方と青森県むつ市にあるスーパー「さとちょう」全24店舗が20日、閉店し、126年の歴史に幕を閉じた。運営会社の佐藤長(本社弘前市)が経営破綻し、18店舗が大型スーパー「トライアル」(本社福岡市)のグループ会社に23日付で事業譲渡される。トライアル側は東奥日報の取材に対し、引き継いだ店舗を24日から順次再開する方針を明らかにした。

 さとちょうは1897(明治30)年、八百屋として現在の松森町店(弘前市)の場所に創業。1978(昭和53)年にスーパーマーケットとなり、店舗を拡大。廃業するスーパーの店舗を引き継ぐなど、地域の生活を支えた。他店との競合激化などで経営が悪化し、今年6月に民事再生手続きを開始していた。

 トライアルグループは、大型ディスカウントストアを中心に全国285店舗を運営し、2023年6月期の売上高は6531億円。

 尾上店(平川市)に「さとちょうはトライアルに変わります。24日より準備が整い次第、順次オープンとなります」と掲示されるなど、事業譲渡される店の一部には営業再開時期を示す紙が張り出された。各店の再開時期の表示はまちまちだが月内が中心のもよう。トライアル側は取材に対し、さとちょうの店名を引き継ぐか明らかにしていない。

 事業譲渡が決まっていないのは松森町、小比内(弘前市)、むつ中央、むつ松木屋の4店と、関連会社ヱスヱス商事(本社黒石市)が運営する樹木(弘前市)、寿町(黒石市)の2店。閉店済みの平賀駅前(平川市)、大鰐の2店も未定となっている。

 佐藤長の佐藤譲社長は20日、「佐藤長としては126年の歴史に幕を閉じる。長年のご愛顧ありがとうございました」とのコメントを発表した。

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