衆院議長に額賀氏 現憲法下 茨城県選出議員で初

衆院本会議で議長に選出された自民党の額賀福志郎元財務相=20日午後

9月の第2次岸田再改造内閣発足後、初の本格論戦となる第212臨時国会が20日に召集され、体調不良を理由に辞任した細田博之前衆院議長(79)の後任に、自民党の額賀福志郎元財務相(79)=茨城2区=が第79代議長に就任した。衆参を通じ、茨城県選出議員が議長となるのは現憲法下で初めて。

衆院本会議の冒頭、細田氏の議長辞任が許可され、議長選挙で額賀氏が選ばれた。

登壇した額賀氏は「職責の重大さを痛感する。わが国は内外で多くの課題に直面しており、難局を乗り越えないといけない。国権の最高機関である国会が果たす役割はかつてなく大きい」と指摘。「歴代議長の思いを引き継ぎ、議会制民主主義の本旨にのっとり、議院の公正で円満な運営に全力を尽くし、国民の期待と信頼に応えるべく最大の努力をしたい」と抱負を語った。

参院本会議場に移り、天皇陛下を迎えて開会式を行った。両議院を代表し、額賀氏は「わが国を巡る内外の諸情勢は厳しく、早急に対処すべき幾多の重要課題がある。速やかに適切な施策を講じ、国民生活の安定向上を図り、世界の平和と繁栄に寄与しなくてはいけない」と式辞。続いて陛下がお言葉を述べられた。

額賀氏は就任会見で、国民の政治不信について「各党はさまざまな課題を議論している。言論の府として、最終的には結論を出して国民の負託に応えなくてはいけない」と話した。

任期は衆院議員と同じ2025年10月30日まで。

議長の役割は議事進行のほか、国会開会中の議員辞職の許可や公聴会開催の承認など。衆院解散の際には「衆議院を解散する」と解散詔書を読み上げる。全国戦没者追悼式や宮中行事などに出席し、各国との議長外交も担う。

額賀氏は茨城県行方市(旧麻生町)出身。早大卒。県議2期を経て、1983年に衆院初当選し、13期目。官房副長官や防衛庁長官、財務相、党政調会長などの要職を歴任した。2009年から18年まで平成研究会の会長として派閥を率いた。

© 株式会社茨城新聞社