車いすテニス世界1位の小田凱人、日本人対決を制してジャパンOP初優勝「満足のいく試合ができた」[木下JOテニス]

小田凱人が世界1位の意地を見せて初優勝

「木下グループジャパンオープン」(東京・有明)車いすの部シングルス決勝が20日に行われ、第1シードの小田凱人(東海理化/世界ランク1位)が、第2シードの眞田卓(TOPPAN/同8位)を6-3、6-3で下して大会初優勝。「重圧をパワーに変えてできた」と喜んだ。

初戦では藤本佳伸(GA technologies/同25位)に快勝したものの、鈴木康平(AOI Pro./同18位)との準決勝ではサーブが不調。1セットを落とす苦しい試合を勝ち抜いてきた小田。

迎えた決勝では、過去5戦全勝ながら今年4月のジャパンオープン(福岡・飯塚)でフルセットの接戦を演じている日本人2番手の眞田となった。

試合は序盤から小田の攻撃が眞田を苦しめる。第2ゲームでブレークすると、一度は追いつかれたものの、第6ゲームで再びリードを奪って6-3でセットを取る。強烈なサーブを生かした3球目攻撃やネットプレー、リターンゲームでも積極的に眞田を動かしてオープンコートを作ってポイントを獲得。第2セットも計3度のブレークで6-3と、今年4月のジャパンオープンで接戦だった眞田に快勝した。

今大会から始めたというラケットをギターに見立てて弾くアクションとともに優勝の喜びを表現した小田は、その後の記者会見で「昨年は優勝できなかったんで、今年優勝できたことをすごい嬉しいですし、試合も昨日よりはるかに調子が良くて、サーブの課題もクリアできて満足のいく試合ができた」と試合を振り返った。

昨年は“王者・国枝”に挑むチャレンジャーとして決勝を戦った小田だが、今大会はグランドスラムを2度制して世界ランク1位で迎えた。それに伴って重圧を感じていたというが、「それを自分の中でパワーに変えてできた」と胸を張った。

今大会後は、「アジアパラ競技大会」(中国・杭州/10月22日~28日)とその翌週に世界上位8名しか出場できない「NEC車いすテニスマスターズ」(スペイン・バルセロナ/10月30日~11月5日)に出場。「3週連続の試合で1週目でいいスタートを切れたので、これを引き続きやっていきたい。アジアパラでも勝てば正式にパリが決まるので、それも楽しみ」と今大会をいい弾みにしていきたいと語った。

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