20日早朝、青森県深浦町正道尻で突風が発生、金物店の資材倉庫のトタン屋根などが剥がれて、隣接するいわさき小学校の敷地内に落下、校舎の一部で窓ガラスが割れるなどの被害が確認された。町教育委員会は同校を臨時休校とし、青森地方気象台は現地に機動調査班を派遣した。同気象台によると、突風の強さは推定で風速約40メートル。突風の種類の特定には至らなかった。けが人は確認されていない。
東奥日報の取材によると、同日午前5時ごろ、東奥日報配達員の堀内竹一さん(69)が車を運転中、倉庫前の町道で何かに乗り上げ、倉庫が崩れているのを確認。その後、連絡を受けた東奥日報の販売店主が消防などに通報した。
堀内さんは「小学校のグラウンドまで屋根が飛ぶくらいだからすごい風が吹いたのだろう」と説明。現場に駆け付けた金物店代表の増冨光彦さん(70)は「自然災害だからどうしようもないが、ただただびっくりした」と倉庫の惨状にぼうぜんとしていた。
同校の敷地内には、飛んできたトタン屋根のほか木片などが散乱。食べ終わった給食の食器を洗う施設にトタンなどが絡み付き、窓ガラスが割れたり外壁が壊れたりした。教室部分などに大きな被害はなかった。
同校は全校児童28人のうちスクールバス登校の児童が7~8割。登校時間帯までに臨時休校の緊急連絡が間に合ったという。出町雄教頭は「(トタンなどの散乱は)駐車場に入れないほどで驚いた。時間帯がずれていたら大変なことになった。幸い校舎の被害もそれほど大きくなく、子どもたちがいない時間帯でよかった」と話した。
同気象台によると、風速40メートルは、突風の強さを示す改良藤田スケールで6段階中2番目に弱い「JEF1」に該当。木造の倉庫の屋根を構成する部材の破損や飛散の状況から判断した。突風発生の時間帯はレーダー解析から、午前4時ごろと推定している。
同日明け方の青森・秋田県境付近は、日本海にある低気圧や前線に向かって暖かく湿った風が流れ込み、大気の状態が非常に不安定となり、秋田県では竜巻注意情報も発表されていた。午前4時台には積乱雲が発達し、雷も発生していた。