フリーランス含む非正規ワーカー待遇改善法提案

 日本共産党が19日までに「非正規ワーカー待遇改善法」を提案した。急増するギグワーカーやフリーランスなど「雇用関係によらない働き方」で働く非正規ワーカーの労働者性を認定し、労災補償などの保護をすすめる。また「シフト制」で働く人を守るため使用者に「最低労働時間」「最低保障賃金」を明示することなどを義務付けている。

 このほか非正規雇用を理由とする賃金・労働条件の差別を禁止。「雇用形態・賃金格差公示制度」を導入し、企業に正規・非正規の構成比と賃金格差、男女別の構成比と賃金格差を公表するよう義務付ける。

 また正規雇用の男性賃金を100とすると非正規雇用の男性賃金は70、非正規雇用の女性は56(所定内賃金、10人以上企業)だとして、非正規雇用の待遇改善は性別役割分業による女性差別をなくし、ジェンダー平等を実現するうえでも重要な課題と提案した。

 法案では「雇用は期間の定めのない直接雇用を原則とし、有期雇用は合理的理由がある場合に限定。労働基準法の有期雇用契約期間の上限を1年とし、派遣受け入れ期間の上限と無期転換ルールの要件も1年とする」

 「2023年4月に成立したフリーランス取引適正化法は公正な取引を確保するための最低限必要なルールにすぎない。労働者としての保護法制を早急に確立する」「企業が保険料負担も含めてフリーランスやギグワーカーの労災に責任を持つ仕組みをつくり、労災補償を実現・拡充する」。

 公務員においての会計年度任用職員(1年ごとの契約、更新2回まで、3回目は公募となる非正規公務員)について「待遇改善を名目に期末手当が支給されるが、大半の自治体は期末手当を支給する分、月例給与を引き下げた。制度の趣旨に反する行為で、引き下げ行為はただちにやめるべき。2024年度から支給可能とされる勤勉手当についても月例給与を引き下げることなく、年収ベースの賃金増加につながるものにし、評価制度をつうじたパワハラや雇い止めの口実に使われることのないようにする」。

 法提案の背景として「日本の非正規雇用者はこの20年で650万人増加し2101万人になった。賃金は正規雇用者の67%、ボーナスや各種手当不支給など、年収200万円以下の働く貧困層を形成している」などをあげている。(編集担当:森高龍二)

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