廃ビニール傘をバッグに 起業体験、ネット販売 茨城・江戸川学園取手高

廃棄ビニール傘を再生させた商品をPRする江戸川学園取手高の生徒たち=取手市西

茨城県取手市西の江戸川学園取手高の1年生グループが、ビニール傘をバッグに再生し、インターネットで販売している。NPO法人主催の「高校生模擬起業グランプリ(リアビズ)」の取り組みの一環で、既に1次審査を突破。生徒たちは「持続可能な開発目標(SDGs)」をテーマに掲げ、大量廃棄されるビニール傘に着目することで「ごみ問題を考えるきっかけにしてほしい」と呼びかける。

リアビズは認定NPO法人「金融知力普及協会」(東京)が主催する起業体験プログラム。高校生たちが模擬会社を設立し、販売する商品や予算などビジネスプランを作成。1次審査を突破したグループには最大30万円が融資され、期間限定のネットショップで商品を販売する。最終審査では利益率や決算書類の完成度が競われる。

同校の生徒はリアビズ参加に向け模擬会社「サスティナブラザーズ」を立ち上げ、7月から活動を本格化。6人が社長や経理、仕入れ、広報などの役職を務める。商品名は「アンブラザーズ」に決めた。

廃棄傘は学校や家庭、地域の協力を得て収集。解体から洗浄、持ち手のひも取り付けなど、全て生徒自身が取り組んだ。骨組み部分はハンガーとして再生させた。色は傘の種類に応じて透明、半透明、白の3色で三つの大きさも用意し、31日までネット販売している。

商品の出来栄えについて、6人は「洗浄を徹底し、バッグもハンガーも十分な強度にした。耐久性とSDGsにこだわったハンドメード商品」と自信をのぞかせる。

グループ代表で、模擬会社の社長を務める天野空翔さん(16)は、ビニール傘が大量に捨てられている現状を指摘。「私たち一人一人がもっとごみ問題について考えなければならない。この商品がその意識を高めるきっかけになってほしい」と話した。

© 株式会社茨城新聞社