絶好調・千葉との上位対決に臨む東京Vの城福浩監督、「今のJ2で最も強いチーム」相手に自分たちの戦いにフォーカス

絶好調の千葉を警戒する城福浩監督[写真:©︎J.LEAGUE]

東京ヴェルディは22日、味の素スタジアムで開催される明治安田生命J2リーグ第39節でジェフユナイテッド千葉との上位対決に臨む。

現在、3位の東京V(勝ち点65)は自動昇格圏内にいる2位の清水エスパルス(勝ち点67)と2ポイント差。残り4試合では同勝ち点で並ぶ4位のジュビロ磐田、4ポイント差で5位のジェフユナイテッド千葉を含めた自動昇格争いを戦いつつ、より高い順位でのプレーオフ進出を視野に入れた、痺れる最終盤の戦いに挑む。

城福浩監督は試合2日前の20日にクラブハウスで行われた記者会見の場で、千葉との重要なオリジナル10対決に言及。

リーグ日程上の関係によって前節の大分トリニータ戦(1-0で勝利)から約2週間の準備期間については、「今の立ち位置の中で何をしなければいけないかをしっかりと考える時間になった」と、リーグ残りの戦いに向け改めてチームとしての戦い方を整理できたと手応えを口にしている。

「成果を語るには結果ですが、我々ができる準備を考えたときに、ありきたりになりますが、自分たちが目指すものを研ぎ澄ますこと。今ある課題にしっかりと向き合うこと。もうひとつはポジションを変えた選手が馴染んでいくこと。大きくはこの3つです。これを強度を上げながらバランスよくやっていく。試合の前日、前々日から逆算して取り組んできましたが、我々のやりたいことは概ねできたと思います」

また、4月16日に行われた前回対戦での0-1の敗戦という結果に加え、前節の水戸ホーリーホック戦の1-1のドローまで7連勝を達成するなど最も勢いがある対戦相手については、「今のJ2で最も強いチーム」と、その実力を高く評価している。

「誤解を恐れずに言うと、ひょっとしたら今のJ2で最も強いチームなのかなと思っています」

「自分たちが10節でアウェイで対戦したとき、彼らは開幕戦で勝ったあと、おそらく8試合勝っていなかった状況でした。逆に、自分たちは良い状態で試合に臨みましたが、まあコテンパンにやられたというか、ジェフは後がない状況で本当に身体を張っていてインテンシティの高い状態で臨みました。自分たちはそれを受けてしまった状況もあり、90分の中でシュート1本しか打てなかったと思います。自分にとっても選手にとっても本当に悔しい1試合でしたし、そこからジェフの新しい志向がスタートしたのかなと思っています」

「かなり技術的に高い選手、繋ぐ志向はあるにせよ、インテンシティの高さは今のジェフの一番の強みだと捉えています。且つ、セットプレーの(良い)キッカーがいて、狙ったところにしっかりとデザインされた状態で人が入ってくるという、セットプレーの強さがあります。カウンターの精度も上がり、新しい選手も入って個で点を取れる選手もいますし、今のJ2では一番充実したチームのひとつだと思います」

その難敵撃破に向けては大分戦で課題として出た試合の入りの重要性を強調。一方で、互いに十分な準備期間もあって普段の試合以上に戦術的な駆け引きも想定されるが、あくまで自分たちの戦いを貫くことにフォーカスしている。

「前節の試合でも自分たちは入りに課題がありました。そこは本当にみんなで共通意識を持って入っていく必要がありますし、相手がどう来るかをみることも大事ですが、自分たちのサッカーはどういうもので、どういうふうに90分コントロールしていくか、そこは自信を持ってやりたいです。相手はどうであれ、我々が貫いてきたものもありますし、入りの数分だけにフォーカスするというよりかは、トータルで勝ち点3を目指していく。ひとつひとつのプレーを大事にする心構えで入っていきたいです」

「相手が奇をてらったことをやってくれば、それに対応する必要はありますが、おそらくここまで来れば相手も自分たちのスタイルでやってくると思いますし、我々も前節の自分たちが先制点を取るまでの数分前の時間帯が良くなかったという部分で、何が理由だったかを考えれば、それはひとつひとつのプレーでした。ひとつの寄せやひとつの絞り、ランニングのハードワーク、フィフティ・フィフティのボールに競り負けるなど、極めてベーシックな部分に関して大分が良かったという見方もあれば、我々が甘かった部分があったとも見れます」

「そこをしっかりと高いアベレージを保って試合に臨めれば、自ずと良い入り、良い試合になると思います。あくまでも我々が取り組んできたゲームの流れをしっかりと早いタイミングで取り戻すような試合にしたい。特別にジェフの対策をするというよりも、我々のサッカーをより早く手繰り寄せることが大事だと思います」

オリジナル10対決、シーズン最終盤での上位対決ということもあり、今回の一戦では1万人前後の観客動員が見込まれる。城福監督はそういった両サポーターの熱気による「激しい試合」を予想。そのなかで選手たちには細部のこだわりを含めやり抜くことを求めている。

「オリジナル10の対戦でもありますし、ヴェルディの毎年の状況は分かりませんが、このタイミングで他力ではあるものの自動昇格の可能性がある状況で迎える我々。あるいはあれだけ破竹の勢いで最終盤を迎えたジェフという部分で、おそらく両サポーターにとってもどれぐらいぶりなのか、という状況だと思います」

「もちろんサポーターは盛り上がってもらえるでしょうし、両チームともにそれに応えたい気持ちで戦うと思うので、激しい試合になると思います。とにかく自分たちは勝つためにいろんなものを積み上げてきましたし、勝つために細かいところにこだわってきたので、それは選手にもよく話していることですが、観に来てくれる方々が気付かないところで、こだわりを持ってやってきたので、そこを含めてやり抜くことが大事だと思います」

最後に、今節の結果次第でJ1昇格プレーオフ圏内が確定することについては「他力本願になりますが、我々は自動昇格を諦めていない。結果として6位以内なのか何位なのかというのは結果であって、とにかく最後の最後まで可能性がある限りは自動昇格を目指したい。そのためには勝ち点3を積み上げるしかない。我々はチャレンジするしかないと考えています。最終順位は最終節の笛が鳴ったときに受け入れるものだと思っています」と、改めて自動昇格への強い思いを語った。

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