小関裕太を「コテンパン」にした演出家とは? 7年越しのタッグ

主演ドラマ『癒やしのお隣さんには秘密がある』(NTV)をはじめ、ほのぼの系から魔性系まで、数多くのキャラクターを演じてきた俳優・小関裕太。清原果耶の初主演舞台『ジャンヌ・ダルク』に、王太子・シャルル7世役で出演する。10月20日に清原とともに、同舞台の会見に出席し、今回演出を務める白井晃との縁を語る場面があった。

舞台『ジャンヌ・ダルク』に出演する小関裕太(20日・大阪市中央区)

王位をめぐって国が分かれた15世紀のフランスを舞台に、神のお告げに従って国を救った少女ジャンヌの、短い生涯を描き出す作品。ジャンヌの活躍や秘められた真実に迫るだけでなく、自分の出自に悩むシャルルが、ジャンヌを通じて王としての自信を付け、成長していくところも同時に描かれていく。

■ 「当時の僕は、脱力したお芝居が素敵だと…」

舞台経験も多い小関だが、白井とは『わたしは真悟』(2016年)で、演出補として演技を付けてもらったのが初めての出会い。そのときのことを「コテンパンにされました」と、笑いながら振り返る。

「当時の僕は、脱力したお芝居が素敵だと思っていたんですが、白井さんに『お客さまは力を抜いた役者ではなく、命を燃やして限界を突き破ろうとする役者を見たいと思うんだ』と言われて。肩の力が抜けてても、心のなかではなにかを燃やして生きようとしている姿に、人を動かす力があるということを教えられました」と、白井から得た教訓を明かした。

舞台『ジャンヌ・ダルク』に出演する清原果耶と小関裕太(20日・大阪市中央区)

その教えを胸にいだいて、着実に成長した姿で再会した今回の舞台。「最初は戦う思いでいたんですけど、今はディスカッションをする時間が楽しい。この間も稽古場に残っていたら、白井さんと一時間半ぐらい立ち話みたいになりました(笑)。他愛もない話ができるようになって、また違う関係性になれたのかなあと思います」と、感慨深げに語った。

清原と小関以外には、福士誠治、荒木飛羽、深水元基、榎木孝明などが出演。脚本は中島かずき(劇団☆新感線)、音楽は三宅純が担当する。11月の東京公演を経て、大阪公演は12月23~26日に「オリックス劇場」(大阪市中央区)にて。チケットはS席1万3800円ほか、11月5日から発売開始。

取材・文/吉永美和子

舞台『ジャンヌ・ダルク』

期間:2023年12月23日(土)〜26日(火)
会場:オリックス劇場(大阪市西区新町1-14-15)
料金:S席1万3800円、A席7800円

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