衆院長崎4区補選 投票率はどうなる? 4区の過去5回は50%以上も…動向に気をもむ陣営

投票を呼びかけるのぼり。投票率の行方に注目が集まる=佐世保市内

 衆院長崎4区補選の選挙戦は残り1日になった。近年の選挙は低投票率が叫ばれながらも、4区に限ってみると50%以上を“死守”してきた。立憲民主前職、末次精一候補(60)と自民新人、金子容三候補(40)の一騎打ちとなった今回は、両陣営とも党幹部らが連日入る総力戦だが、有権者の関心は「いまひとつ」。今回は40%台に落ち込むとの見方が大勢を占め「30%台」との声も聞こえてくる。
 「今度の日曜が投票日。ぜひ選挙に参加してください」「補欠選挙が行われていることをお知らせください」-。両候補者は演説や交流サイト(SNS)で有権者に呼びかけている。
 4区の過去5回の投票率を見ると、民主(当時)が政権交代した2009年は71.04%だったが、自民が政権奪還した12年は59.67%と大幅に下落。以降は50%台で推移し、14年は52.44%に沈んだ。前回の21年は55.08%だった。

衆院長崎4区の投票率

 「激戦」が伝えられる今回の補選はどうか。長崎新聞社などが実施した世論調査で、補選への関心度は84%が「ある」と回答したものの、両陣営は「盛り上がっていない」「関心が低い」で共通している。補選は「通常の衆院選に比べて10ポイントは下回る」と言われる中、有権者からは「投票したい候補者がいない」との声も漏れる。
 両陣営は投票率の動向に気をもんでいる。
 末次陣営は告示前、投票率を「50%」と目標設定したが「目標はかなり遠い」とみる。期待を込めても40%台と予測し「これまでの支持層以外にも反応がいい。高い方が無党派層を取り込める」と話す。
 一方の金子陣営。佐世保市議の一人は「40%台前半か、下手すれば30%後半もあり得る」。両候補とも一定の組織票があり、低投票率になった場合、どちらに有利に作用するのか測りかねる声もある。
 佐世保市選管は、開催中の「YOSAKOIさせぼ祭り」の会場に、投票日を知らせるのぼりを設置。県は巡回啓発の車両を走らせ、期日前投票の利用も呼びかけている。


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