【プレミア注目プレビュー】復調チェルシーの真価試される無敗アーセナルとのロンドンダービー!

[写真:Getty Images]

プレミアリーグ第9節、チェルシーvsアーセナルが、日本時間21日25:30にスタンフォード・ブリッジでキックオフされる。復調気配漂わすブルーズの真価試される無敗ガナーズとのダービーマッチだ。
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ポチェッティーノを新指揮官に招へいし、捲土重来を期す今シーズンのチェルシー。1-1のドローに終わったリバプールとの開幕戦では上々の戦いを見せたが、以降はウェストハム、アストン・ビラといった中堅クラブに加え、ノッティンガム・フォレスト、ボーンマスといった格下相手に取りこぼし、ボトムハーフの11位に低迷している。

それでも、EFLカップ3回戦で難敵ブライトンを破り、公式戦4試合ぶりの白星を挙げると、直近のリーグ戦ではフルアム、バーンリー相手に今季初のリーグ連勝を達成。相変わらず負傷者の数は懸念材料も、結果に加えて内容が伴ってきており、ようやく復調の気配を漂わせている。ただ、リーグ戦でのここまでの3勝はすべてボトムハーフ相手で、昨季から続く対トップハーフの未勝利は継続中。11月から強豪5連戦を控えるなか、難敵相手のホームゲームで何とか対トップハーフ初勝利といきたいところだ。

一方、宿敵トッテナムに総得点の差で首位を譲るも開幕無敗で2位に位置するアーセナル。インターナショナルブレーク前に行われた前節ではグアルディオラ就任後1度も勝利がなく、且つ12連敗中だった天敵を1-0で破り、リーグ戦では8年ぶりとなるマンチェスター・シティ相手の勝利を収めた。パフォーマンスに関して改善の余地はあるものの、今季も有力なタイトルコンテンダーであることを改めて証明する結果となった。

重要なチャンピオンズリーグ(CL)のグループステージの戦いはあるものの、リーグ戦では12月中旬前までニューカッスルを除き格下との対戦が続くこともあり、今回のダービーでしっかりと勝ち点3を持ち帰り、リーグタイトル争いを優位に進めていきたいところだ。

昨シーズンのシーズンダブルを含め直近10試合の両者の対戦成績は、アーセナルが6勝2分け2敗と圧倒的な戦績を収めている。なお、前トッテナム指揮官のポチェッティーノは、アーセナルとのリーグ戦のダービーで3勝6分け2敗とわずかながら勝ち越している。ちなみに、現役時代のパリ・サンジェルマンで同僚だった両指揮官は、これが監督として初対決となる。

◆チェルシー◆
【4-3-3】
予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.


GK:ロベルト・サンチェス
DF:グスト、ディザジ、チアゴ・シウバ、コルウィル
MF:ギャラガー、カイセド、エンソ・フェルナンデス
FW:パーマー、ジャクソン、スターリング

負傷者:GKベッティネッリ、DFフォファナ、チルウェル、チャロバー、リース・ジェームズ、MFチュクエメカ、エンクンク、ラヴィア、FWブロヤ
出場停止者:なし

出場停止者はおらず、逆に3試合停止明けのグストが復帰する。負傷者に関しては長期離脱組に加え、チュクエメカとブロヤが新たに離脱。リース・ジェームズに関してはトレーニングに復帰したが、もうしばらく時間がかかりそうだ。

開幕数試合は[3-4-2-1]を採用していたが、[4-3-3(4-2-3-1)]の採用が濃厚だ。スタメンはコンディションに不安を抱えるディザジ、ジャクソンらの起用を前提に前述のメンバーを予想。パーマーをベンチに置きスターリングを右ウイング、ムドリクを左ウイングに配置する可能性もある。

◆アーセナル◆
【4-3-3】
予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.


GK:ラヤ
DF:ホワイト、サリバ、ガブリエウ、ジンチェンコ
MF:ウーデゴール、トーマス、ライス
FW:サカ、ガブリエウ・ジェズス、マルティネッリ

負傷者:DFティンバー、サリバ、FWトロサール、サカ
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関してはティンバーの欠場が確定しており、いずれも軽傷を抱えて代表招集を辞退したサリバ、トロサール、サカに関しては直前まで起用の可否をチェックするようだ。

スタメンはサカとサリバの起用を前提に現状のベストメンバーで臨むとみる。左サイドバックに冨安健洋、中盤でハヴァーツ、ファビオ・ヴィエイラ、ジョルジーニョ、前線でエンケティアを起用するプランも考えられる。

★注目選手
◆チェルシー:FWラヒーム・スターリング

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切れ味鋭い仕掛けで攻撃の突破口となれるか。今年1月の移籍市場でアーセナル行きの可能性もあったカイセドとライスの中盤のマッチアップにも注目が集まるが、ホームチーム勝利のカギを握る好調のアタッカーを注目選手とした。

2022年夏にマンチェスター・シティから鳴り物入りでのブルーズ加入となった28歳FWだが、加入1年目は不振極めるチームや定まらぬ起用法の影響などもあり期待外れの1年を過ごした。アルゼンチン人指揮官を招へいした今季はクラブの前線の補強次第で1年での放出の可能性も報じられた中、最終的に残留が決定すると、ここまで前線の主軸として巻き返しを図るチームの原動力として存在感を示す。

ここまで8試合3ゴール1アシストと、数字上のインパクトはそこまでではないが、コンディションの良さを窺わせる鋭いドリブル突破、スペースの飛び出しと持ち味の局面打開能力で崩しの起点として機能。引き続き決定力に課題はあるものの、初勝利を挙げたルートン戦や直近のバーンリー戦ではほぼ一人で試合を決めた印象もある。

今回のダービーではボールの握り合いに関してある程度五分の戦いが想定される中、トランジションや崩しの局面での個の打開が勝敗を分かつ可能性が高く、来年のユーロ2024に向けてイングランド代表返り咲きを図るブルーズの7番の活躍に期待したいところだ。

◆アーセナル:MFカイ・ハヴァーツ

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古巣初対戦で爪痕残せるか。2020年夏にレバークーゼンから加入して以降、3シーズンに渡ってチェルシーの主力として活躍したドイツ代表は、今夏の移籍市場で6500万ポンドと言われる巨額の移籍金でロンドンのライバルクラブに移籍した。昨季の振るわないパフォーマンスやクラブが移籍を容認したことを考えれば、遺恨を残す形での移籍というほどではないが、多くのブルーズサポーターは複雑な思いでブリッジ初帰還を受け止めるはずだ。

新天地アーセナルではインサイドハーフでの起用やスペイン人指揮官の細かい戦術への適応の問題に加え、チェルシー時代から続く決定力不足を露呈し、ここまでは苦しい序盤戦を過ごす。それでも、直近2試合ではPKによる初ゴールと、シティ撃破に繋がったアシストと少しずつ目に見える結果を出している。

古巣初対戦ではシティ戦同様にベンチスタートが濃厚だが、CL決勝とFIFAクラブ・ワールドカップ決勝でブルーズにタイトルをもたらしたビッグマッチでの勝負強さを発揮し、初対戦での恩返し弾といきたいところだ。

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