住宅街にクマ、どう対処 青森県警、弘前市が訓練「家から出ず施錠」

住宅街にクマが出た想定の訓練で撃ち倒したクマ役(手前)の状態を確認する警察官や猟友会のメンバーたち=20日午後、弘前市の岩木山総合公園
住宅街にクマが出た想定の訓練でクマ役(左)を民家などから遠ざけようとする警察官

 青森県内でクマの目撃や人的被害が相次いでいることから、県警と弘前市は20日、住宅街でのクマ出没を想定した訓練を同市の岩木山総合公園で行った。地元猟友会のメンバーらも加えた約40人が、クマが出没した際の対策の流れを確認した。

 住宅街を想定したクマの対策訓練は県内初。日中に同市の住宅地にクマ1頭が現れた想定で行った。参加者は、通報者をパトカーに乗せて避難させた後、近隣住民の安全を確保するため「建物の中に避難してください」とスピーカーで呼びかけた。

 さらに爆竹で大きな音を立ててクマ役を民家から遠ざけ、後方に人や家がないことを確認。警察官が猟友会メンバーに発砲許可を出した。

 このほか、基本的には銃による駆除ではなく追い払いで対応することや、発砲は日の出から日没までの間しかできないこと、住宅密集地ではできないことなど、関係法令も確認した。

 県警生活保安課の中村彰宏課長は「地域住民と捕獲に携わる人の安全を確保しながらの対応は難しさを感じる。訓練を重ねたい」と説明。また、クマは鍵のかかっていない引き戸を開けてしまう可能性に触れ「何よりも家の外に出ず、鍵をかけることが大切」と呼びかけた。

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