ガザ:「地面に横たわる手術患者」「避難に疲れ戻る人も」活動続けるMSF看護師が語る人びとの今

ロアイ・ハルブは、15年にわたり、パレスチナ・ガザ地区にある国境なき医師団(MSF)のやけどクリニックに務める看護師だ。彼は今、家族とともに、ガザのMSF事務所近くの自宅に残っている。そしてガザの多くの人たちと同様、食料も水も電気もない。 ハルブが、ガザの人びとが置かれた極めて厳しい状況を語る。

イスラエル軍の攻撃で破壊されたガザの街並み=10月10日撮影 © Mohammed Baba

状況は非常に厳しいです。紛争が激化してから今日に至るまで、水も電気も食料もインターネットもありません。安全な飲料水を手に入れようにも、井戸のポンプを動かすための燃料がありません。 爆撃の中、安全な場所もありません。人びとは北から南へ、南からまた別の場所に避難していますが、安全な場所はどこにもないのが実情です。

病院は人の波——場所がなく地面に横たわる患者

MSFは2日前、ガザ地区中心部のアル・シファ病院に医薬品を届けました。病院までの移動はとても大変でした。さらに病院内は、ここなら安全と思い逃げ込んできた大勢の人びとであふれ、中を歩くのも大変で時間がかかりました。

病院に収容された負傷者の大半は重傷です。院内には多数の患者を受け入れる十分なスペースがなく、手術が必要な人も地面に横たわっている状態です。

避難先から戻ってくる人も

ガザには安全な場所はないので、私は家族と共に自宅に留まることしました。親類の大半は、ガザの中心部や南部に移動することを決めました。

先に南部に移動した人びとの多くはホームレスとなり苦しい思いをしたため、再び自宅に戻りつつあります。南部でも水も電気がなく、人びとは非常に緊迫した状況にあります。

このような状況ですが私はMSFのやけどクリニックで毎日働いています。患者の包帯を巻いたりして、手当てしています。患者が再診に戻ってくるのは難しいので、キットを渡し、自分で処置できる方法を教えています。これが今、私が看護師としてできることです。

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