手話交え軽妙な話芸■林家とんでん平さん、みやき町で落語会

表情豊かに手話落語を披露する林家とんでん平さん=みやき町の社会福祉協議会ホール

 初代林家三平さんの弟子で、「手話落語」の第一人者林家とんでん平さん(71)の落語会が、みやき町の社会福祉協議会ホールで開かれた。手話を織り交ぜながら軽妙な語り口で来場者の笑いを誘った。

 「みそ豆」や「初天神」などの古典落語を披露し、登場人物を感情豊かに演じ分ける巧みな話芸や、扇子を使った表現で観客を引きつけた。「こんにちは」「ありがとう」など簡単な手話講座もあり、来場者と一緒に童謡「どんぐりころころ」を手話付きで合唱した。

 とんでん平さんは、手話落語を初めたきっかけについて「障害がある人もない人も一緒の空間で笑ってほしい思いからだった」と述べ、「落語は話や動きだけで想像力を引き出すことができ、脳が動いて健康になる。笑って元気になってほしい」と呼びかけた。

 会場には地元の高校生や住民ら約80人が訪れた。神埼清明高3年の田中佑依さんは「落語は座って話すイメージだったけど、立ったまま体全体を使って話しているのが印象に残った。とても面白かった」と話した。(井手一希)

© 株式会社佐賀新聞社