【菊花賞/騎手データ】狙いはソールオリエンスでもなく“3強以外” 「馬券内率100%ジョッキー」とは……

10月22日は京都競馬場で3歳牡馬三冠の最終戦となる菊花賞(GI、芝3000m)が開催されます。近2年は京都競馬場大規模改修工事のため阪神での施行でしたが、今年は2020年以来の京都開催です。

今回は2021、22年の阪神開催を除く2000年以降の過去データを基に、気になる騎手データを見ていきましょう。

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■終わってみればC.ルメール騎手はありえる

今年の菊花賞に騎乗する騎手の中で、集計期間内に騎乗経験があるのは13騎手。各騎手のデータは次の通りです。

菊花賞騎手別成績(2000年~20年)

秋華賞と同様にGIだけあって人気馬に跨る機会が多く、好成績も残す騎手は限定されますね。過去6鞍以上の騎乗回数があり、かつ人気馬に跨ってきた騎手3名を順に見ていきましょう。

まず取り上げるのが集計期間内の連対率50%というとんでもない数値を誇るC.ルメール騎手です。

2017年のアルアイン(2番人気7着)、19年のニシノデイジー(2番人気9着)のように人気馬で敗れたこともありますが、16年のサトノダイヤモンド(1番人気1着)、18年のフィエールマン(7番人気1着)で2勝を挙げています。素の数値そのものが優秀で、単勝回収率280%、複勝回収率181%という数値からベタ買いできる騎手ですね。

データ的な注目ファクターは前走レースでセントライト記念以外なら【2.1.1.0】の複勝率100%。

同騎手が今年の菊花賞で跨るのが前日16時時点4番人気のドゥレッツァ(牡3、美浦・尾関知人厩舎)。条件戦を勝って菊花賞へ参戦は20年の菊花賞でC.ルメール騎手が跨り4番人気2着だったアリストテレスと同様で、ステップを心配する必要はありません。

ソールオリエンス、タスティエーラと強いGI馬が参戦しますが、思い切ってドゥレッツァから勝負する手もありでしょう。

■一発なら大ベテランの横山典弘騎手

続いて2003年から06年にかけて騎乗機会4連続2着が光る横山典弘騎手のデータを見ていきます。

2003年のリンカーン(4番人気2着)、04年のホオキパウェーブ(4番人気2着)、05年のアドマイヤジャパン(6番人気2着)、06年のドリームパスポート(2番人気2着)までは文句なしですね。07年以降は馬券絡みがありませんが、19年は16番人気のディバインフォースで3着と0秒1差の4着があり、引き続き菊花賞では警戒したい騎手です。

注目ポイントは当日の人気で、当日6番人気以内なら【0.4.0.3】の連対率57.1%。

同騎手は今年の菊花賞で前日16時時点8番人気のトップナイフ(牡3、栗東・昆貢厩舎)に騎乗予定ですが、当日になってさらに売れるようなら押さえておきたいですね。

■人気の武豊騎手は好走に期待できるが…

さらに集計期間内最多となる3勝の武豊騎手のデータを見ていきましょう。

2000年のエアシャカール(2番人気1着)、05年のディープインパクト(1番人気1着)、そして19年のワールドプレミア(3番人気1着)で3勝を挙げていますが、18年は10番人気のユーキャンスマイルを3着に導き人気薄でも怖い騎手です。

ただ、連対となると当日の人気が重要で、当日3番人気以内なら【3.1.1.7】連対率33.3%と数値が上昇します。

それでも前述したC.ルメール騎手、横山典弘騎手ほどの数値には達しないため、同騎手が今年の菊花賞で跨る前日16時時点6番人気のファントムシーフ(牡3、栗東・西村真幸厩舎)は押さえ程度でいいかもしれません。

■人気馬に跨る横山武史騎手、J.モレイラ騎手は…

最後に前日16時時点1番人気のソールオリエンス(牡3、美浦・手塚貴久厩舎)に跨る横山武史騎手、同2番人気のタスティエーラ(牡3、美浦・堀宣行厩舎)に跨るJ.モレイラ騎手について見ていきましょう。

前者は集計期間内の騎乗がなく、後者は集計期間内の騎乗が1鞍のみ。残念ながら過去データでは巧拙を判断できません。そこで集計対象を2000年以降かつ3000m以上のレースに広げるとその結果は、横山武史騎手が【1.1.0.8】の連対率20%。J.モレイラ騎手は【0.0.0.2】の連対率0%です。

横山武史騎手は3000m以上のレースで結果が出ていなかった中で2021年の菊花賞を制覇。一方、J.モレイラ騎手はそもそもの騎乗数が限られるため距離から巧拙を判断することはできません。JRA重賞で2番人気以内に推された際は【4.2.0.1】というデータがJ.モレイラ騎手から見つかりますが、2騎手の比較では横山武史騎手を上に考えるべきでしょう。

以上、菊花賞の気になる騎手データでした。データ注目騎手はC.ルメール騎手です。同騎手が跨るドゥレッツァの単複で勝負してみるのはいかがでしょうか。

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著者プロフィール

伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。

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