青岸渡寺、修験道「行者堂」再建 150年ぶり

青岸渡寺で約150年ぶりに再建された山伏の修行拠点「行者堂」=21日午後、和歌山県那智勝浦町

 和歌山県那智勝浦町の世界遺産、青岸渡寺で21日、明治の修験道廃止令で取り壊された山伏の修行拠点「行者堂」が約150年ぶりに再建され、落慶法要が営まれた。修験道グループ「熊野修験」の山伏ら約150人が集まり、護摩をたいて完成を祝った。

 完成した行者堂は木造平屋建てで、取り壊しの際に寺の本堂に移されていた修験道の開祖、役行者像を祭っている。寺によると、行者堂としては日本一の規模。熊野古道沿いに建てられ、寺の三重塔と那智の滝を望むことができる。

 熊野修験の修行も途絶えていたが、高木亮英住職(73)が1988年に再興。寺から奈良県吉野町の金峯山寺まで歩く「大峰奥駈道」の修行を復活させた。

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