宵宮の「提灯練り」豪快に 姫路・魚吹八幡神社の秋季例祭 エーノンジャーのかけ声、竹打ち合い紙片舞う

青竹に付けた提灯を激しくぶつけ合う氏子たち=21日夜、姫路市網干区宮内(撮影・辰巳直之)

 兵庫県姫路市網干区宮内、魚吹八幡神社の秋季例祭が21日、宵宮を迎え、名物の「提灯練り」が繰り広げられた。長い青竹の先に付けた提灯を男たちが激しくぶつけ合い、気勢を上げた。

 氏子地区の数では県内最大規模の祭りで、県の重要無形民俗文化財。提灯練りは神社からお旅所へ向かう神輿を氏子が提灯で照らしたのが由来とされ、現在は7地区が継承している。

 午後7時ごろ、楼門前に提灯を高々と掲げた締め込み姿の男衆が現れた。円陣を組み、伊勢音頭に合わせて青竹を地面に強く打ちつけた。続いて勢いよく円の中心に突進し、誰からともなく竹と竹を打ち合った。

 「エーノンジャー」のかけ声と、竹がぶつかる乾いた音が響く。提灯が破け、紙片が舞い、どよめきと拍手が巻き起こった。7地区の先陣を切った平松地区の森脇大樹さん(33)は「1番手の役割をしっかりこなせた」と満足そうだった。

 22日の昼宮は、氏子18地区の屋台が宮入り。屋台を空中に放り投げる技「チョーサ」を披露する。(森下陽介)

© 株式会社神戸新聞社