望月慎太郎、世界50位カラツェフにストレートで敗れ準決勝敗退
「木下グループジャパンオープン」(東京・有明/ATP500)シングルス準決勝が21日に行われ、20歳の望月慎太郎(IMG Academy/世界ランク215位)が登場。同50位のアスラン・カラツェフに3-6、4-6で敗れ、ツアー初勝利から続いた快進撃はストップした。
今大会、ワイルドカード(主催者推薦)で2度目の出場を果たした望月は、1回戦でトーマス・マルティン・エチェベリ(アルゼンチン/同31位)を6-4、7-6(5)で下しツアー初勝利を挙げると、2回戦ではディフェンディングチャンピオンのテイラー・フリッツ(アメリカ/同10位)に0-6、6-4、7-6(2)と逆転勝ち。トップ10から初勝利を手にした。
勢いに乗る20歳は、続く準々決勝でもアレクセイ・ポピュリン(オーストラリア/同41位)に7-5、2-6、7-5のフルセットで勝利し、2018年大会の錦織圭(ユニクロ/世界ランク354位)以来の4強入りを果たし、今大会の台風の目となった。
準決勝に向け、「体を削って走りまくらないといけない」と語っていた望月は、この日も多くの観客の後押しを受けてコートを駆けたが、わずかに及ばなかった。
序盤からカラツェフの強打に押されるが、徐々にタイミングを合わせ、体勢を崩されても返球。ピンチがありながらもサービスキープを続けた。だが、カラツェフのショットも鋭く、なかなか浮いた球が来ない。高い打点で捕らえることができず、後手に回ってしまい2-3の30-40となった場面で降雨による中断後、カラツェフの好リターンもありブレークをされると、そのまま3-6でセットを落とした。
鋭いストロークとサーブ、そしてチャンスではすかさずネットに詰めて柔らかなタッチのボレーを見せるカラツェフ。望月は主導権を最後まで握ることができず、第2セットも第5ゲームでブレークを許してストレートで敗れた。
惜しくも決勝進出とはならず悔しさもある中、望月は「自分のプレーは良く、ラリー戦になった時にチャンスを取れていたところも多かった。リターンゲームで苦労しブレークチャンスがなかなか取れなかったので、そこがシンプルに自分のプレースタイルはブレークできないと厳しい戦いになってくる」と冷静に自身の戦いを分析する。
「素晴らしい1週間だったと思う。ツアー初勝利から始まり、タフな試合を何試合か乗り切れてここまでこれたことはポジティブなことばかり。今日の試合も自分のベストを尽くした結果なので、まったく後悔はなく、次につなげたいなという1週間だった」と今大会を振り返った。
来週更新される世界ランキングでは130位前後に上昇。今季チャレンジャー大会に出場しグランドスラム本戦を狙っていくも「1試合1試合乗り越えた結果、今週はこういう形になったので、いい意味で自分に期待しすぎず集中してやりたい」と、一歩ずつ着実に成長し、さらなる高みを目指していきたいとした。