日本シリーズ、阪神とオリックス「二刀流」で応援? 59年ぶり関西対決実現 景気底上げへ期待も再び

パ・リーグのクライマックスシリーズを制し、盛り上がる左翼席のオリックスファン=21日夜、京セラドーム大阪(撮影・堀内 翔)

 プロ野球パ・リーグのオリックス・バファローズが21日、日本シリーズ進出を決め、セ・リーグの阪神タイガースとの「関西対決」が決まった。兵庫県内のファンも喜びの声を上げ、待ちに待った熱戦へ期待を寄せた。

 1950年に始まったシリーズの歴史で、関西の球団同士の対戦は64年の阪神-南海ホークスのみ。今月28日から始まる日本シリーズは59年ぶりの関西ダービーとなる。

 前身の阪急ブレーブス時代からファンという神戸市西区の男性(59)、女性(54)の夫婦は京セラドーム大阪で試合を見守った。勝利の瞬間、立ち上がって歓声を上げた。

 「2点を返されたが、しっかり抑えてくれた」と男性。「選手層が若く、日替わりで打線を組む中嶋監督の手腕も面白い」と今季の戦いぶりを評価する。阪神との対決を見据え、「同じ関西勢なのにメディアの扱いや人気に差がある。絶対に勝ちたい」とライバル心を燃やした。

 神戸・三宮にある球団直営店「B-WAVE」には21日午後、観戦へ向かうファンらが駆けつけ、応援グッズなどを買い求めた。

 阪神ファンながら、山本由伸投手が「推し」でオリックスも応援する明石市の女性会社員(58)は関西対決に複雑な表情を見せた。「会場が京セラドームの日はオリックス、甲子園の日は阪神のユニホームで観戦しようかな」と「二刀流」の応援計画を打ち明けた。

 景気底上げへの期待も再び高まる。関西大の宮本勝浩名誉教授は既に、阪神とオリックスの日本シリーズで、百貨店祝賀セールの売り上げなどを含め、日本全体の経済効果が計約1449億円、関西地域では計約1304億円に上るとの試算を発表している。(上田勇紀、勝浦美香)

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