ローリング・ストーンズ、観客500人のライブ潜入レポとミックがMCで話したこと

The Rolling Stones at Racket, NYC on October 19, 2023. Photo: Kevin Mazur

ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)が新作アルバム『Hackney Diamonds』のリリース前夜となる2023年10月19日に、少人数のクラブ「Racket NYC」にてサプライズ・ライヴを行った。

約500人の観客の中で、日本を代表して音楽ジャーナリストのAkemi Nakuraさんがこの貴重なイベントに参加。ライヴ・レポートが到着しました。

<YouTube: ザ・ローリング・ストーンズ新作発売記念サプライズライブ in NY>

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ザ・ローリング・ストーンズが、最新作『Hackney Diamonds』発売日の前夜10月19日にNYのキャパわずか500人の会場Racket NYCにてサプライズギグを行った。“ローリング・ストーンズ『Hackney Diminds』ローンチパーティ”という名目だったが、会場に到着するとトレイラーやトラックが何台も並んでいるし、サウンドチェックも聴こえてくるし、しかもレディー・ガガも到着。噂を聞きつけたファンがなんとか中で目撃できなかとチケットもない中、外に長蛇の列ができていた。会場に入るとクエストラブがDJしているし、エルヴィス・コステロも、ダニエル・クレイグもその他駆けつけた数多くのセレブが、興奮した面持ちで待っている。

バンドは、午後10時過ぎに登場。1978年『Some Girls(女たち)』から、NYのアンセムと言える「Shattered」で幕開けし、「NYに戻ってこれて嬉しいよ」とミック・ジャガー。

続けて、「1,2,3,4」の合図で、新曲「Angry」をライブで初パフォーマンス。あまりに小さい会場で観客は圧倒されっぱなしにして大歓声。バンドからも笑顔が溢れる。続いて「Whole Wide World」も初パフォーマンスされた。

この日の小さいステージには、ご存知のように、ドラムに、チャーリー・ワッツの代わりにスティーヴ・ジョーダン。ベースにダリル・ジョーンズ、バックボーカルにシャネル・ヘインズ、キーボードはマット・クリフォードも参加。すでに、リハーサルはみっちり行われていた感じで、ツアーにも出れそうな完成度だった。

ミックは、「俺たちはこれまでもローンチと言ったらNYだったんだ。5番街をトラックに乗ってパフォーマンスしたこともあったし(1975年)、ブルックン橋を渡ったこともあったし(1997年)、車掌車に乗ってグランドセントラル駅まで行ったこともあった(1989年)。つまりNYでまたどうしてもローンチしたくて、スタジオに戻って新作を作ったんだ」とジョーク。

続いて「Tumbling Dice」の後、「次は“Bite My Head Off”という曲だ」と再び新作からの初パフォーマンス。そして、本編の最後を締め括ったのは「この曲はみんな知ってるんじゃないかな」とミックが言った後、キースが観客に話かけながら満遍の笑みを見せた後、ギターリフをかき鳴らし「Jumpin’ Jack Flash」。大歓声の中、「みんな来てくれてありがとう!」と終了。

そしてアンコールでは、「Sweet Sounds of Heaven」でレディー・ガガが登場し、ミックとパワフルなデュエットを聴かせ、「ニューヨーク!ザ・ローリング・ストーンズです」とガガが改めて締めくくり、ミックが「レディー・ガガ!」と紹介。ステージ中央に全員が集まり、1時間弱のこのあり得ないくらい貴重なライブは大興奮の中終了した。

10月19日NY Racket NYCセットリスト
1. Shattered
2. Angry *
3. Whole Wide World *
4. Tumbling Dice
5. Bite My Head Off  *
6. Jumpin’ Jack Flash
Encore
7. Sweet Sounds of Heaven (with Lady Gaga) *
* ライブ初披露曲

Written By Akemi Nakamura

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