プレミアリーグ第9節、リバプールvsエバートンが21日にアンフィールドで行われ、ホームのリバプールが2-0で勝利した。なお、リバプールのMF遠藤航はベンチ入りも出場機会はなかった。
4位のリバプールと16位のエバートンによる、今シーズン最初のマージーサイド・ダービー。
リバプールはインターナショナルブレーク前に行われた前節、ブライトンとの上位対決を2-2のドローで終え、5連勝からの2戦未勝利と足踏み。3試合ぶりの白星を目指すダービーでは先発4人を変更。負傷のロバートソンの代役にツィミカスを起用したほか、マティプとエリオット、ヌニェスに代えてコナテ、グラフェンベルフ、ジョタを起用。遠藤はベンチスタートとなった。
開始直後にはキャルバート=ルーウィンが打点の高いヘディングでいきなりファーストシュートを記録したが、以降はボールを握るリバプールが左サイドを起点に押し込む形に。
流れの中ではエバートンのコンパクトな守備攻略へ揺さぶりをかけつつ、相手セットプレー時は自慢の高速カウンターでフィニッシュまで持ち込むホームチーム。13分にはソボスライの持ち上がりからボックス左でラストパスを受けたルイス・ディアスに決定機も、ここはDFヤングの見事なブロックに遭う。
前半半ばを過ぎても試合に大きな変化はなし。相手陣内で焦れずにボールを動かすものの、中央をしっかりと締めるアウェイチームの守備を揺さぶり切れないホームチーム。序盤同様のロングカウンターやサラーとディアスの両ウイングの仕掛けに突破口を見いだそうとするが、なかなか局面を打開し切れない。
それでも、37分には左サイド深くで仕掛けでディアスがDFヤングのファウルを誘うと、すでに1枚カードをもらっていたベテランDFに2枚目のカードが出されて退場に。ホームチームが前半に数的優位を手にした。
相手が守り慣れる前にゴールをこじ開けたいクロップのチームはここから攻勢を強めたが、アレクサンダー=アーノルドやソボスライのミドルシュートは枠を捉え切れなかった。
迎えた後半、エバートンはマクニールとハリソンの両ウイングを下げてマイケル・キーン、パターソンとDF2枚を投入。[5-3-1]へ布陣を変更し、勝ち点1を意識した守備的な形で残りの45分に臨んだ。
後半も早い時間帯のゴールを目指すリバプールは前がかって攻めたてる。52分にはボックス内でルーズボールに反応したサラーが左足を振るが、ここはDFタルコフスキの身体を張ったブロックに遭う。
序盤の攻防を経て前半同様に試合が膠着し始めると、リバプールベンチが動く。60分過ぎにツィミカスとグラフェンベルフを下げてヌニェスとエリオットを投入。ディアスを左サイドバックに配置する可変式の攻撃的な布陣でゴールをこじ開けにかかる。
この交代によって攻撃のギアを上げたクロップのチームは、スペースのある位置からスピードに乗って仕掛けるディアスを起点に幾度か良いシーンを作り出すと、75分にはボックス内でのディアスのクロスがDFキーンの広げていた右腕に直撃。オンフィールド・レビューの結果、PKが与えられる。これをキッカーのサラーが右隅へ強烈なシュートを突き刺し、待望の先制点とした。
苦しみながらもリードを手にしたリバプールは相手のアタッカー投入を受け、ディアスを下げてジョー・ゴメスを投入。クリーンシートでの逃げ切りを意識しつつ、トドメの追加点を狙う。
アディショナルタイム9分が加えられた後半最終盤の戦いではエリオットらの決定的なシュートがGKピックフォードのビッグセーブに阻まれるが、最後の最後に試合を決める一撃が決まる。
97分、自陣ボックス付近でエバートンの攻撃を撥ね返すと、ハーフウェイライン付近のヌニェスがボールを引き取って中央突破。最後はボックス右に走り込むサラーに丁寧なラストパスを通すと、サラーは力の抜けた見事な左足のダイレクトシュートを右隅に突き刺した。
そして、試合はこのままタイムアップを迎え、代表戦明けのタフなダービーに完封勝利のリバプールが3試合ぶりの白星を手にした。