【ラグビー】<見どころ>序盤からスクラム中心に相手を圧倒できるか FW陣の奮起に期待/関東大学対抗戦 第4節 対 成蹊大学

2023年10月22日(日)関東大学対抗戦Aグループ 対 成蹊大学 @ウエスタンデジタルスタジアムきたかみ

関東大学対抗戦Aグループ 第4節
慶應義塾大学	2023/10/22(日)13:00 K.O.	成蹊大学
前半	後半	ロスタイム:	前半	後半
トライ(T)
コンバージョン(G)
ペナルティゴール(PG)
ドロップゴール(DG)
計
合計
得点者
慶應義塾大学
#	氏名	身長(cm)/体重(kg)	学年学部	出身校
1	木村 亮介	173/103	環4	慶應
2	中山 大暉	176/102	環3	桐蔭学園
3	岡 広将	173/107	総4	桐蔭学園
4	シュモック オライオン	181/100	環4	Mount Albert Grammar School
5	中矢 健太	184/104	総3	大阪桐蔭
6	樋口 豪	174/98	文4	桐蔭学園
7	田沼 英哲	176/94	総3	國學院久我山
8	冨永 万作	187/102	商3	仙台第三
9	橋本 弾介	169/77	法2	慶應
10	山田 響	174/82	総4	報徳学園
11	佐々 仁悟	173/80	総4	國學院久我山
12	三木 海芽	167/83	総4	徳島県立城東
13	永山 淳	188/94	総4	國學院久我山
14	大野 嵩明	177/80	法4	慶應
15	松田 怜大	174/82	環1	桐蔭学園
16	酒井 貴弘	169/98	商4	慶應
17	井上 皓介	176/106	経4	慶應
18	小松 秀輔	177/105	環4	名古屋
19	長瀬 穣一郎	187/100	政3	山形南
20	富田 颯樹	173/93	経4	慶應志木
21	小城 大和	168/73	商3	北嶺
22	村田 紘輔	174/85	経3	慶應
23	磯上 凌	172/81	商3	青山学院
成蹊大学
#	氏名	身長(cm)/体重(kg)	学年学部	出身校
1	大舘 幸長	175/96	4	幕張総合
2	金子 颯馬	170/96	3	桐蔭学園
3	鈴木 巽	180/114	4	新潟
4	君島 遼	184/100	4	成蹊
5	熊野 友博	180/93	3	成蹊
6	井上 雄太	169/88	4	茗溪学園
7	惣福脇 和	177/87	2	大分舞鶴
8	鈴木 太加良	179/100	2	関東学院六浦
9	鈴木 悠真	171/71	2	昌平
10	石原 幸亞	172/77	4	大分舞鶴
11	網田 優作	173/75	1	茗溪学園
12	髙島 大聖	173/83	4	成蹊
13	新谷 匡平	176/88	4	伊奈学園
14	山本 陽登	170/77	4	成蹊
15	近藤 大我	178/83	4	八千代松蔭
16	黒田 雄大	169/92	3	各務原
17	渡邊 有	168/90	2	関東学院
18	橋本 泰佑	182/105	2	所沢北
19	田代 亘	177/85	3	専大松戸
20	青木 梨駒	174/89	1	國學院栃木
21	末次 真南斗	170/75	4	長崎北陽台
22	小口 鉄兵	173/75	3	横須賀
23	松田 彩	178/83	3	幕張総合
慶應義塾大学	成蹊大学
101.4kg	FW平均体重	96.8kg
811kg	FW合計体重	774kg
178cm	FW平均身長	176.8cm

慶大はここまで2勝1敗、勝ち点9で4位。対する成蹊大はまだ勝ち星をあげられていない。慶大にとっては優勝争いに絡むためにも、勝ち点5が欲しいところ。本試合の見どころは、前半と後半の序盤の攻防にあるだろう。特に慶大自慢のFWが、序盤からスクラムやモール中心に相手を圧倒できるかというところは、注目する価値がありそうだ。お互いのこれまでの戦いを振り返る。

慶大は、ラインアウトからのモールを組みFW戦に持ち込むという戦術に自信を置いているように思える。第3戦でも、相手のペナルティからタッチでインゴール付近まで前進し、モールを組んだ末HOの中山大暉が3トライを上げるなど、その形はいつ繰り出しても成功するという完成型になっている。しかし、注目するべきは、ここ3戦での得点の時間帯だ。慶大はここまで8トライ含む66点を記録しているが、前半後半各20分以前の得点は2トライ2ペナルティゴールの16点。2勝は両方逆転勝ちで、特に立大戦ではロスタイム10分、あるいはそれ以上の時間を戦い逆転勝ち。負けた筑波大戦もロスタイムでの逆転負けであり、これまで追いかける展開や接戦になることが多かった。相手の疲れが出始めた頃にFW中心に畳みかけ得点を上げれていること、リードされていても決して諦めない執念の二つが、この傾向を生み出しているようだ。

チームをまとめる主将の岡

終盤に得点が多い要因は他にもあるだろう。試合中に生まれた課題を試合中に解決する修正能力の高さである。3戦とも序盤はスクラムでコラプシングを取られたり、警告を受けたり、相手のスクラムのプレッシャーもあるとは思うが組みにくそうなシーンも多かった。青学大戦でも初めはスクラムに苦戦し、得点を許しリードされる展開であった。しかし、相手のコンバージョン中などに岡が円陣を組み気をつけるべきポイントをメンバーで共有し、勝負どころでスクラム戦を制すと、後半は無失点と見事なディフェンスを見せた。試合に向けて「あらゆる場面を想定した準備をしている」と以前話していたが、それが試合での修正能力に活かされ、後半での猛攻や逆転勝利につながっているといえる。

慶大は前試合で山田響、永山淳が揃ってスタメン出場するなど、攻撃の布陣が整いつつある。また、青貫監督はFW陣をほぼ固定させて戦ってきたが、第4戦にきてメンバーを少し変えてきた。左PRに木村亮介、右FLに田沼英哲を起用するようだ。木村は初スタメンとなるが、スクラムで対するは成蹊大最重量の右PR・鈴木翼だ。スクラムで優位に立つためにも、木村の第1列での躍動に期待がかかる。

大柄CTBの永山

対する成蹊大のここまでの戦いぶりを見ると、3試合で280失点と大量失点がどうしても目立ってしまう。早大戦では、相手の攻撃を受ける時間帯が長くなってしまった。しかし、反則から攻め込まれる失点もある一方、FBの矢崎の個人技による突破など、チームとしてではなく誰か一人の個人技によってゲインを許し、ディフェンスを崩されることが多かった。しかし、一つ一つのディフェンスシーンを見ると光る部分も多く、身長170cmのHO・金子颯馬、身長169cmのFL・井上雄太の相手の膝下に低く突き刺さるタックルや、PR・大舘幸長のタックルは早大相手も苦戦するほどであった。BKでは、1年生の網田がここまでデビューから2トライを上げるなど、網田のスピードには慶大も注意したいところ。成蹊大としては、序盤から相手に一つの大きなゲイン、トライを許す場面が多く、それが相手に勢いを与え大量失点してしまっているため、序盤のディフェンスの入りに集中したいところである。

橋本のボール回しにも注目だ

前後半の終盤に強い慶大か、序盤に穴がある成蹊大か。慶大が序盤から相手を圧倒しスコアできるかに注目だ。慶大にとっては優勝戦線に食い込むためにも3トライ以上の差をつけ勝ち点5が欲しいところ。伝統校の慶大に、創部100周年を迎える今季、1部へ復帰した成蹊大がどういう戦いを見せるか、キックオフの瞬間から目が離せなさそうだ。

(記事:野上 賢太郎)

帝京大	明大	早大	慶大	筑波大	立大	青学大	成蹊大	勝	敗	分	勝点
帝京大	———	11/19	11/5	12/2	○	○	○	○	4	0	0	20
明大	11/19	———	12/3	11/5	○	○	○	○	4	0	0	20
早大	11/5	12/3	———	11/23	○	○	○	○	4	0	0	19
慶大	12/2	11/5	11/23	———	●	○	○	10/22	2	1	0	9
筑波大	●	●	●	○	———	12/2	11/19	11/5	1	3	0	5
立大	●	●	●	●	12/2	———	11/5	11/19	0	4	0	1
青学大	●	●	●	●	11/19	11/5	———	12/2	0	4	0	0
成蹊大	●	●	●	10/22	11/5	11/19	12/2	———	0	3	0	0
◎勝ち点の多い順に順位決定を行う。(並んだ場合は勝利数で決定)

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