その自転車「盗まれるかもしれない」 神奈川県警田浦署、警告に行動経済学を応用

京急線追浜駅近くの駐輪場の自転車に警告カードを取り付ける参加者=横須賀市内

 神奈川県警田浦署が、行動経済学を応用した自転車盗の防止キャンペーンを行っている。「施錠して」と直接的なメッセージではなく、「無施錠だと盗まれるかもしれない」と呼びかける警告カードを制作。駐輪場の自転車に取り付けている。

 このキャンペーンは愛知県警が発祥。行動経済学では人間は「何かを得たい」よりも「失いたくない」と強く思うという。そうした心理を利用し、表現を工夫した。

 13日も署員ら15人が京急線追浜駅近くを回り、自転車の施錠を呼びかけた。田浦防犯協会の村越鎮雄会長(78)は「無施錠で道路脇に止められた自転車も目立つ。継続して取り組みたい」と話していた。

 同署によると、今年は新型コロナウイルスの収束で飲み歩く人が増えたこともあり、自転車盗が増加。無施錠のものが狙われ、12日現在で32件と、昨年同時期より7件増加している。

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