力自慢が盤持ち石軽々と 小矢部・北蟹谷で60年ぶり大会、会場に熱気

盤持ち石を軽々と持ち上げる参加者

 約60年前まで行われていたとされる富山県小矢部市北蟹谷(きたかんだ)地区の力比べ大会「盤持ち石大会」が21日、同市棚田の神明社で復活した。市内外の子どもからお年寄りまで延べ32人が、重い石「盤持ち石」をどこまで持ち上げられるかに挑戦し、会場は熱気に包まれた。

 大会は米俵の代わりに盤持ち石を持ち上げて力自慢を競う、農村文化を象徴する行事だった。北蟹谷地区では明治から大正にかけ、市内でも特に盛んに行われていた。再び恒例行事として定着させ、地域の活性化につなげようと、住民でつくる実行委員会が開いた。

 参加応募のあった小学1.2年生、一般男子、同女子、チャレンジの4部門を実施。7.5~70キロの石を使い、膝、腰、胸の高さまで持ち上げられるかに挑んだ。力を振り絞る参加者の姿に、観客から大きな拍手と声援が送られた。

 70キロを肩にのせた萩原英隆さん(48)=滑川市菰原=は「会場の雰囲気が温かくて、地域の団結を感じた。来年も出たい」とにっこり。最年長ながら44キロを上げた安保冏二(あんぼきょうじ)さん(76)=小矢部市棚田=は「腰にきた。地元が盛り上がってうれしい」と満足そうな表情を浮かべた。

 大会は来年以降も北蟹谷地区にある棚田、北一、五郎丸、八講田、松尾の5町内の持ち回りで開いていく予定。

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