つづきの絵本屋 ~ 大切な1冊がきっと見つかる。0歳から100歳まで楽しめる絵本と紅茶のお店

『おふろだいすき』『わたしのワンピース』『スーホの白い馬』そして『ぐりとぐら』。

子供の頃、大好きで何度も読み返した絵本。そして、いつしか忘れてしまった物語。

つづきの絵本屋は、そんな忘れていた宝物にもう1度出会える絵本屋です。

絵本に囲まれた温かい店内、美味しい紅茶。つづきの絵本屋には静かで優しい時間が流れています。

0歳~100歳まで、絵本は誰にでも寄り添う」。

店主の都築(つづき)さんとお話しながら、きっとあなただけの大切な1冊が見つかりますよ。

絵本屋のために設計された「つづきの絵本屋」

2016年4月にオープンした「つづきの絵本屋」。

もともと転勤族だった都築さんご一家。絵本屋をするために土地を探し歩き、とうとう倉敷で運命の出会いを果たしました。

住宅街の奥まったところにあるこちらの建物は、都築さんいわく「絵本屋のために設計された店舗兼住居」だそうです。

大きなガラス張りの店内からは、たくさんの絵本が見られます。
外側に表紙が向けられているのが楽しく、お店のをぐるりと1周してしまいました。

かわいらしい真っ赤な看板。絵本作家のはた こうしろうさんのデザインです。

店内では、紅茶とともに手作りのお菓子がいただけます。

取材時の「本日の焼菓子」は「チョコとくるみのごきげんスコーン」。なんだか美味しそう!

約2,000冊の絵本が並ぶ店内。懐かしい1冊が見つかるかも

お店のなかは、まさに絵本の海!常時約2,000冊もの絵本が並びます。

絵本棚の角度や細部にまで都築さんのこだわりが詰まった、まさに理想の絵本屋さんですね。

柱に並ぶのはかわいらしい赤ちゃん向けの絵本。

ほかにも新刊、大人向け、季節の絵本、ロングセラーなどに分かれて陳列されています。

こちらは季節の絵本コーナー。取材をした6月は、雨や傘、お父さん、歯の絵本が並びます。

園や学校で読んでもらったあの絵本、この絵本。絵本からも四季を感じていたのだなぁ、と思い返しました。

『ひとまねこざる』『きんぎょがにげた』など、懐かしいロングセラーのコーナー。グッズも販売されています。

絵本作家のマスキングテープも。思わず大好きな山脇 百合子(やまわき ゆりこ)さんのテープを購入しました。

お店のギャラリーには、絵本作家の原画が展示されています。

ふだん滅多に見ることがない絵本の原画は、どの絵も迫力があり「いきいき」としています。

毎月出版される新刊のほかにも、さまざまなジャンルの絵本が集まるつづきの絵本屋。

決め手となるのは、都築さんが「この本を手渡したい!」と思うかどうかだそうです。

最後まで読んで、楽しいな、この本すてきだな、と心が動いた絵本がお店に並んでいるのですね。

ティーインストラクターが淹れる、とっておきのお茶とお菓子

ティーインストラクターでもある都築さん。
厳選された紅茶と焼きたてのお菓子で、ゆったりとした時間が楽しめます。

取材時には、パイナップルティースカッシュとスコーンをいただきました。

パイナップルティーは、1晩かけて炭酸水から抽出した紅茶だそうですよ。

パイナップルのフレッシュな香りにほのかな甘味。そして色が美しいですね。

だんだんと暑くなる季節には、何度も飲みたくなる爽やかな味わいの紅茶です。

焼きたてにこだわって提供されるチョコとくるみのスコーン。

手作りの焼菓子は、サクサク、ほっこりとした優しい味わい。ほかのお菓子も食べてみたくなる美味しさです。

ダージリンとスコーンのセット。ふくよかなダージリンは、スコーンと相性抜群です。

季節によって変わりますが、その他に以下のような紅茶メニューがあります。

  • ダージリン
  • アッサム
  • アールグレイ
  • ディンブラ
  • キャンディ
  • プレミアム ルフナ
  • 和紅茶
  • アレンジティー

大人も、絵本。ひとりひとりに寄り添う絵本を

「つづきの絵本屋には、大人1人で来る人も少なくないんですよ」とお話してくださった都築さん。

むしろ、大人になってから絵本を読みたくなる人が多い、のだとか。

疲れたとき、なんだか寂しいとき。ふと、絵本に触れたくなる人が多いそうです。

そんなお客さんひとりひとりに、お話を聞きながら絵本を選ぶ。

まるで絵本のコンシェルジュのように、寄り添いながらぴったりの1冊を探していくそうです。

「絵本には、究極のシンプルさがある」と都築さんはいいます。

絵も、文も、本当に残したい物だけを残し、あとは読者にゆだねる懐の深さ。

「絵本にあるのは余白。感じ方、読み方は人それぞれ。どこの部分に投影しても良いし、正解はないのが絵本です」

「もし、無人島に持っていくなら」と、少々強引なテーマで絵本を選んでもらいました。

そうですね…と迷いながら選んだのはこちらの3冊。

  • たぐちるたぐちる
  • 最初の質問
  • あかり

どんな絵本なのか、お店で確かめてみてくださいね。

少しだけ『たぐちるたぐちる』を朗読していただきました。

澄んだ美しい都築さんの語り口に、読み聞かせの心地よさ、読んでもらうことの嬉しさを久々に感じました。

ゆっくりと絵本に向き合う、贅沢な時間を

昔から絵本が好きだったので、つづきの絵本屋に入ったとき、なんて素敵なお店なんだろうと感激しました。

絵本の表紙を見ながら、不思議と子供たちの顔、そして読んでくれた親、昔々の懐かしい先生の顔が浮かんできたのです。

絵本の内容と一緒に、読んでもらった、読んであげた思い出が甦ってきたようでした。

誰かのため、そして自分のために絵本を選ぶ。とても贅沢で幸せな時間が過ごせる「つづきの絵本屋」。

美味しい紅茶と手作りのお菓子、そして楽しいおしゃべりとともに、お気に入りの1冊を見つけてみてください。

© 一般社団法人はれとこ