津軽産のブドウでワイン造りをしているサントリー(本社東京)はこのほど、青森県弘前市百沢の契約農家太田勇藏さん(74)の畑でブドウ作りを手伝った。
醸造や販売を担当する社員らがブドウ作りの現場を知る機会として設け、約20人が参加。はさみを使って生育の悪い実を取り除く作業をした。
サントリーは太田さんが育てたブドウで、7月に発表された日本ワインコンクールのスパークリングワインの部で金賞と部門最高賞に輝いたワインを造った。サントリーは今後も、高級ワインの産地として岩木山麓での生産に力を入れていくという。
作業に参加した同社ワインカンパニー(山梨県)の渡辺直樹さん(58)によると、近年は猛暑が続くことから長野県、山梨県などのワインブドウ主力産地で高温に強い品種に植え替える動きが一部であるという。
寒冷な岩木山麓は新たな産地としての可能性がある。渡辺さんは「生産量をむやみに増やすというよりは、高級ワインの産地として条件の良い園地を広げたい」と語る。岩木地区のワインブドウ契約農家は2軒だったがここ2、3年ほどで新たに3軒増やしているという。
40年ブドウ作りを続ける太田さんは「将来は世界のトップと肩を並べたい」と意気込んだ。