新潟県柏崎市のものづくり企業10社が、柏崎工業界の魅力を新潟県内外に発信しようと、オリジナルアニメ「とびだせ！柏崎2～決戦！工業都市編～」を制作し、注目を集めている。2023年夏に公開したアニメでは、10社それぞれをモチーフにした10体のキャラクターを通し、技術力の高さをアピールしている。各社の技術力を深掘りし、キャラクターを併せて紹介する。（10回続きの3）
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◆成長と共に女性社員が増加、社内の雰囲気づくりにも配慮
アニメ「とびだせ！柏崎2〜決戦！工業都市編〜」の参加企業の一つ、オグロ（柏崎市安政町）は、旋盤機などを使った金属加工を手がける。ミクロン単位の要望にも応える技術力で、近年は工作機械や自動車に加えて、半導体関連の受注も拡大。製造品目を多角化し、成長を続けている。
回転させた材料に工具を当て加工する旋盤機や、多様な切削加工を行うマシニングセンタ…。9月中旬、オグロの工場を訪れると、いくつも並ぶ大型の工作機械がモーター音を響かせていた。ピカピカに仕上げられたシャフトなどの金属部品に、社員が丹念にエアブローで空気を吹き付け、細かいちりなどを落としていく。
工作機械で加工された金属部品に空気を吹き付けて、細かいちりなどを落とす社員
オグロは、鉄やアルミ、ステンレスと いった金属を加工し、コンプレッサーなどの産業機械や建設機械、自動車に使う部品を手がける。取引先は常時40社ほどあり、業界はさまざま。日々、同じ製品を大量生産するのではなく、小、中ロットで受注し、精度の高い製品を製造している。
オグロは昭和初期に産業用機械の製造を始め、1970年ごろから部品メーカーとして歴史を刻む。社長の前澤竜一さん（49）は「歴史が古い分、取引先の幅が広い。お客さんとのお付き合いで培った技術を生かし、多角化を進めてきた」と語る。
工場内にいくつも並んだ大型の工作機械を紹介するオグロの社長、前澤竜一さん＝柏崎市安政町
近年、力を入れるのが需要が増している半導体関連の受注だ。電気自動車の登場など、半導体の用途が広がる中、取引先のつながりもあって、半導体の製造工程で多く使われる真空ポンプの部品加工に携わるようになった。
特に半導体関連の部品には高い精度と品質管理が求められる。要求に応えようと、製造設備の増設を進め、工場の敷地面積は10年ほど前から4倍近くの約1万5千平方メートルに拡大。広げたスペースには、品質管理に欠かせない空調設備や、新潟県内でも数社しか持たない最新の工作機械を導入し、より精度の高い加工が可能となった。
オグロの生産設備と製造した機械部品
取引先メーカーの成長に伴い、オグロの業績も伸び、2023年4月期の売上高は10年前の3倍となる約20億円に。売上比率も従来は建設機械や工作機械が中心だったが、半導体関連で40％を占めるようになった。社員数は10年前の3倍近くの約150人に増え、うち女性は3割となっている。
「事業の継続には若手、中堅、ベテランの年齢バランスと、女性の働きやすさが大切だ」と前澤さん。若手社員との昼食会を定期的に開くなどして、社内の雰囲気づくりにも心を配る。「会社も人も夢がないと計画も実行もできない。夢を語り合い、互いに成長し合える会社にしていきたい」と力を込めた。
◆「玄武のオーグロー」＠オグロ
揺るがぬ結束が力！アンギュラ砥石を持つ熱血漢
アニメ「とびだせ！柏崎2〜決戦！工業都市編〜」には、オグロをイメージにした亀のキャラクター「玄武のオーグロー」が登場する。「お互いが競争しながらも協力して仕事を行う」という社風から熱い性格で、仲間の小亀たちとの連帯感も特徴だ。
オグロをイメージしたキャラクター「玄武のオーグロー」
手に持つ「アンギュラ砥石（といし）」は、オグロの高い研磨技術を表す。ちなみに亀なのは「会社が海に近い」のが主な理由。アニメの制作会社によると、オグロの雰囲気を亀のチームとして表現すると、面白いと思ったのだという。
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◎「とびだせ！柏崎2～決戦！工業都市編～」参加企業10社
▽サイカワ（安田）
▽品銀鉄工所（田塚3）
▽北星製作所（軽井川）
▽テック長沢（藤井）
▽飯塚鉄工所（半田3）
▽サイカワ（安田）
▽酒井鉄工所（田塚3）
▽日本メッキ工業（田塚3）
▽山崎工業（安田）
▽米谷製作所（田塚3）
