「充実した準備ができた」パリ五輪予選へ国内キャンプ終了、なでしこ池田太監督が予選へ意気込み「自分たちの基準を下げないでやる」

国内キャンプでの充実ぶりを語ったなでしこジャパンの池田太監督[写真:©︎CWS Brains, LTD.]

なでしこジャパンの池田太監督が、国内でのトレーニングキャンプを終えた手応えと、この先に待つパリ・オリンピックのアジア2次予選に向けた意気込みを語った。

なでしこジャパンは、17日から国内でトレーニングキャンプを実施。招集メンバーのうち国内でプレーする選手と、海外組ではポートランド・ソーンズFC(アメリカ)の杉田妃和が参加した。

26日にインド女子代表戦でスタートするパリ・オリンピック予選。ウズベキスタンで集中開催される予選は、29日のウズベキスタン女子代表戦、11月1日のベトナム女子代表戦と3連戦で行われる。

6日間のトレーニングを終えたなでしこジャパンは23日にウズベキスタン入り。海外組も合流し、2日間のトレーニングを経て初戦を迎える。

国内キャンプを終えた池田監督は、メディアの取材に応対。まずは充実した形でキャンプを終えられたと手応えを語った。

「メンバー全員ではなかったですし、国内組が中心となりましたが、目的の1つであるコンディションを整えることができましたし、これまでやってきた部分の再確認もできて、天気も良くて予定通りの準備ができたので、良い状態でウズベキスタンに入れると思います。充実した準備ができました」

GK3名を含む13名が参加した今回の国内キャンプ。海外組はこの週末までクラブで試合を行なっており、いきなり初戦に臨むこととなる。

初戦のインド戦に関しては、「コンディションを見てですね」と語る池田監督。海外組については「昨日試合をしていたり、これから試合だったり。選手のコンディションとバランスを見ながらですね。中2日で3試合なので、疲労やバランスを考えながらメンバー編成を考えたいと思います」と、様子を見てメンバーを決めたいとした。

中2日での連戦についても考慮するとコメント。「疲労と連戦とコンディションと総合的に考えて戦えるシチュエーションに持っていければ、色々な組み合わせも含めてやれればと思います」と語った。

初戦の相手のインドについては、メンバー発表会見で情報があまりないと語っていたが、「アジア競技大会もやっていたり、しっかりと監督が求めることをやってくるチームの印象なので、日本に対してどういうことでスタートしてくるかは始まってみないとわからないですが、1人1人ハードワークをサボらないチームなので、隙なく、初戦でもあるのでゲームに入っていきたいと思います」と気を引き締めて臨み、ピッチの中で対応していきたいとした。

実力差は当然ある状況ではあるものの、池田監督は警戒。「細かい部分がルーズにならないように、自分たちがやってきた基準を下げないように、相手に合わすのではなく、やってきたことをしっかりやっていくことが大切になりますし、それも伝えていければと思います」と、これまで積み上げてきたものを出していきたいとした。

オーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)では世界を驚かせる戦いを見せ、その後のアルゼンチン女子代表との国際親善試合でも相手のトラブルなどもあり圧倒したなでしこ。ただ、アジアの戦いはそれとは全く異なってくる。

「まずは我々がボールを持つ時間が長くなるので、相手の思い切ったカウンターや少ないチャンスで思い切ってシュートを打つこともあると思うので、リスクマネジメントを含めて相手にチャンスを作らせないこと。攻撃の部分では引いてくるかどうかはわかりませんが、しっかりとチャンスをスコアに繋げていく1つ1つの精度は詰めていきたいです」と池田監督は、しっかりとしたプレーを出していきたいとした。

今回の2次予選は、最終予選の対戦相手も決まる形に。各地で集中開催されるため最後まで読めない部分は大きい。

池田監督は「レギュレーション的にどこと組み合わせになるかは2次予選のグループの結果、他のグループの2位通過などで変わってきます。3節目はそれまでの他のグループのことを少なくとも考えることにはなると思います。1、2戦目はしっかりと戦い、3戦目はどういう考えていくかは、チームとして考えがバラバラにならないように準備する必要があると思います」とコメント。勝利を目指して戦っていくものの、状況に合わせたいとも語った。

また「時差もあったり、必ず時間が同じということはないので、どう考えるかです」と語り、「自分たちが関わってくるのかもわからないですし、最終戦のベトナム戦だけに集中すれば良いのかどうかもわからないので、2次予選からの繋がりという部分では、考えていく必要があります」と、2枠という狭き門を勝ち抜けるためには重要な戦いとなるとした。

2戦目のウズベキスタンは、日本女子代表として初の国際試合にも出場したメンバーでもある本田美登里監督が指揮。日本のこともよく知っている指揮官だ。

池田監督は「ウズベキスタンもアジア競技大会にも出ていたので、その映像とか、1人1人の特徴というのはまだ選手とはミーティングしていないですが、全員揃ってから向こうでやろうと思います」とコメント。「分析からこちらがどういうふうにやろうかということも考えています。試合にどう入ってくるかは考えてくると思うので、それに対してピッチ上でどう対応できるかというのは準備しなければいけないです」と、相手もわかっている中で、日本としても出方をしっかりと見極めたいとした。

21日には、男子高校生との練習試合も行い「協力をいただいて、ブロックを作ってもらっての11vs11ができたということは、選手も感覚が掴めたと思います」と、アジアの戦いの対策もしっかりとしているなでしこジャパン。「その中でポジショニングや関係を確認できたことが良かったというか、実戦形式で見ることができたことは良かったです」と、手応えはあるとのこと。良い状態で予選に臨み、まずは2次予選を突破してもらいたい。

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