10月21日、元イングランド代表のサー・ボビー・チャールトン氏の死去が、同氏が現役時代に長らく所属したマンチェスター・ユナイテッドの公式サイトにて伝えられた。享年86歳だった。
チャールトン氏は現役時代、攻撃的なプレーヤーとして活躍。左足の強烈なシュートを武器にイングランド代表では106試合49ゴールの好成績を残し、「イングランド史上最高の選手」と評された。
また、1958年2月6日にはチャンピオンズカップ(現UEFAチャンピオンズリーグ)の試合からの帰路に搭乗機が墜落する「ミュンヘンの悲劇」に遭遇。奇跡的に生存した1人となった。
現役時代には、1966年に自国開催となったFIFAワールドカップでイングランド代表を優勝に導き、同年にバロンドールを受賞。1968年にはチャンピオンズカップ決勝のベンフィカ戦で2ゴールを挙げる活躍を見せて、マンチェスター・ユナイテッドをイングランドのクラブとして初の欧州制覇へと導いた。
イギリス『デイリーミラー』電子版によると、チャールトン氏のようにワールドカップとチャンピオンズカップ/チャンピオンズリーグの優勝を経験し、バロンドールを受賞した経験があるのは、彼以外にはリオネル・メッシ、ジネディーヌ・ジダン、ロナウジーニョ、カカー、リヴァウド、フランツ・ベッケンバウアー、ゲルト・ミュラーの7人だけだという。
ちなみに、チャールトン氏と同様にマンチェスター・ユナイテッドで活躍し、彼を上回るほどの実績を残したクリスティアーノ・ロナウドは、ワールドカップ制覇を経験していない。
彼の訃報を伝えたマンチェスター・ユナイテッドは、次のような声明で追悼の意を示している。
「サー・ボビーは、マンチェスターや英国だけでなく、サッカーが行われている世界中の場所で、何百万人もの人々にとっての英雄的存在だった。サッカー選手としての卓越した資質と同じぐらい、スポーツマンシップと誠実さでも称賛されていた。サー・ボビーはサッカー界の巨人として永遠に記憶されるだろう」