軽やか「唐子踊」異国情緒漂う 朝鮮通信使寄港の瀬戸内・牛窓

異国情緒漂う「唐子踊」を披露する新旧の踊り子

 江戸時代の外交使節・朝鮮通信使が寄港した瀬戸内市牛窓町牛窓に伝わる「唐子踊(からこおどり)」(岡山県重要無形民俗文化財)が22日、同所の疫(やく)神社に奉納された。今年は4年ぶりに踊り子の児童2人が交代。秋空の下、きらびやかな衣装で異国情緒漂う稚児舞を披露した。

 踊り子は牛窓東小3年服部陽太君(9)、2年藤井晴大君(7)。とんがり帽子に鮮やかな朱色地の上着、水色のズボン姿で登場した。交代の年は前任のコンビと一緒に踊る習わしで、羽織はかまの6年藤井竣大君(12)、5年桜田雄士君(10)と演舞。「コンネン ハジメテ ニホンヘワタリ…」と口上を述べ、笛と太鼓の音に合わせ軽やかに舞った。

 初めて見るという男性(70)=岡山市南区=は「4人の踊りは風情があり、古くからつないできた牛窓の伝統を感じた」と話した。

 22日は疫神社の本社・牛窓神社(瀬戸内市牛窓町牛窓)の秋祭りで、船首に竜などの彫刻を施した船形だんじり3基(県重要有形民俗文化財)が巡行した。

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