「頭に血が上った」ダボから…石川遼がPGAツアーで7年ぶりトップ10

ショットの内容は4日間で最も充実していただけに悔しさも(撮影/大澤進二)

◇日米ツアー共催◇ZOZOチャンピオンシップ 最終日(22日)◇アコーディア・ゴルフ習志野CC(千葉)◇7079yd(パー70)

前半8番までに3バーディを奪い、首位に2打差と迫った時も穏やかだった心が、サンデーバックナインに入って間もなく波立った。11番で左ラフからレイアップを強いられてボギーを喫した直後の12番、石川遼の1Wショットは好感触もむなしく右ラフに転がった。

11番に続いてライは最悪。「今週のワースト1、2を争うくらい(ボールが)沈んでいた。あのショットがこのライになるのかって…」。再び潔くフェアウェイに出した後、105ydを大きく打ち上げる3打目は左奥ピンの奥のラフにまでこぼれた。タフなアプローチも微妙な距離を残し、ボギーパットも打ち切れない。すでに独走態勢を築きつつあったコリン・モリカワの背中がさらに遠のくダブルボギーとなった。

浮き沈みのあったサンデーバックナインに胸中は複雑な様子(撮影/大澤進二)

「久しぶりに頭に血が上ったんですけど…」と苦笑しながら、気持ちを立て直すまでの葛藤を明かす。「セカンドで無理しなかったのに、3打目で無理をした自分が悪い。自分の落ち度だな、と」。厳しいピン位置に対し、NGエリアに外した3打目のミスを受け入れることで冷静になれた。14番(パー5)で「今週イチくらいの良いスイング」からバーディを奪うと、15番もミドルパットを流し込んで2連続。「スコアを出そうとか、これ以上崩したくないみたいな変な欲ではなく、自分のゴルフをしようと割り切っていけた」と振り返る。

4日間ではベストの「67」で回って通算7アンダー4位。PGAツアーではマレーシア開催の2016年10月「CIMBクラシック」(10位)以来となるトップ10入りで、2週後の「ワールドワイドテクノロジー選手権」(メキシコ/エル・カルドナル at ディアマンテ)出場権を獲得しても、悔しさが口をつく。

トップ10入りの資格で次戦もメキシコのPGAツアーに出場する予定(撮影/大澤進二)

「順位がこれだからといって、これでいいんだとは思いたくないというのが正直なところ。12番の3打目と17番のセカンド。それ以外は100点だった。ショットは4日間で一番良かったので。(だからこそ)自分がジャッジミスをしてしまったところが気になってしまう」

3日目に優勝したモリカワと同組で回ったことも表情を引き締めるひとつの要素だ。「久しぶりに“トップ・オブ・トップ”の選手とプレーした。ミドルアイアン以下を持った時の強さを感じた。少しずつでも差を縮めていけるように、自分の基準を設けて、進んでいければ」。最高峰の舞台に返り咲くための歩みを着実に進めていく。(千葉県印西市/亀山泰宏)

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