「綺麗なサッカーだけでは難しい」なでしこFW田中美南、パリ五輪予選で迎えるアジアでの戦いに意気込み「1位通過だけを目指す」

代表通算31得点の田中美南(INAC神戸レオネッサ)[写真:©︎CWS Brains, LTD.]

なでしこジャパンのFW田中美南(INAC神戸レオネッサ)が、国内でのトレーニングキャンプを終えた手応えと、この先に待つパリ・オリンピックのアジア2次予選に向けた意気込みを語った。

なでしこジャパンは、17日から国内でトレーニングキャンプを実施。招集メンバーのうち国内でプレーする選手と、海外組ではポートランド・ソーンズFC(アメリカ)の杉田妃和が参加した。

26日にインド女子代表戦でスタートするパリ・オリンピック予選。ウズベキスタンで集中開催される予選は、29日のウズベキスタン女子代表戦、11月1日のベトナム女子代表戦と3連戦で行われる。

国内キャンプを終えた田中。21日には練習試合で実戦形式でアジア対策も実施。この日は練習前のMTGも少し長めに行っていた。

「昨日の試合の主な振り返りを映像で見ながらやりました。良い部分と失点のシーン、戦術の前に寄せるとか、球際で強くいくとか、当たりで剥がされないとか。アジアで出てしまうと緩みでやられてしまって厳しい試合になるので、再確認しました」

オーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)で戦った世界の国との対戦とはまた違う戦いが待っているアジア予選。この日のトレーニングではスローインのコンビネーションも試していた。

「サイドの高い位置を取った時にはゴールに向かう姿勢の共通認識を持つ練習だったと思います」と語る田中。全体練習後は、MF猶本光(三菱重工浦和レッズレディース)とFW千葉玲海菜(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)とCKのトレーニングもし、ニアサイドで合わせる形を繰り返していたが「インドの試合の想定で、あそこで合わせるパターンも持っておこうということでキッカーと合わせる時間でした」とコメントした。

世界との戦いを経験した田中。改めてアジアとの対戦については「綺麗なサッカーだけではこじ開けるのは難しいと思う」とコメント。「ボックス内に侵入するシーンが増えると思うので、強引にでも足を振ること、まずは枠内に入れる。ちょっと触られるとか、足が伸びてくるというところを押し込めるように意識したいです」と、考え方を変えて臨みたいとした。

今回の国内合宿での成果については「昨日もですけど、引いてもらった中で後ろからのビルドアップでボール保持の時間が長くなると思います」とアジア対策もしているとし、「相手が10人でブロックを引いた時のやり方は、W杯よりも密にやる必要があると思います」と、チームとして同じ絵を描いて対応したいと語った。

また「あとは取られた後のカウンターのリスク管理は後ろの人が徹底してくれていると思うので、FWとしてはゴールに向かう姿勢、強引にいくところも必要ですし、バトルの部分も大事だと思います」と語り、ゴールに向かう姿勢、1対1での戦いについても気をつけたいとした。

ハードな守備やラフなプレーも多少増えると考えられるが「まずは逃げないというか、同じように戦っていく。その中で、ぶつかり合うだけではなく、巧さや駆け引きで上回ることが重要だと思います」とコメント。アジアからは2カ国しか出場できないパリ・オリンピック。田中は「とりあえずは予選は1位通過だけを目指します」と今回の3連戦について言及。「その先が厳しくなると思うんですけど、まずは3試合を勝ち抜くことだけを考えて、選ばれたメンバーでやっていきたいです」と、まずは結果を残していきたいと意気込んだ。

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